「国宝の名刀「日向正宗」と武将の美」展
東京都墨田区の刀剣博物館と、同じく中央区の三井記念美術館をはしごしてきました。今回は後者の話を。
概要:「国宝の名刀「日向正宗」と武将の美」展
会期:2020年11月21日(土)~2021年1月27日(水)※事前予約制
場所:三井記念美術館
音声ガイド:アプリ「聴く美術」内610円(App Store / Google Play)
写真撮影:NG
図録:2500円(通販対応なし)
……この記事を書くために改めて確認したところ、公式サイトで割引券が配布されていることに気が付きました……もったいないことをした……。
ぼやきはさておき。館内は撮影禁止のためあまり写真がありませんが、近代建築よろしくシックな木造の内装だけでも見る価値のある美術館でした。
何せエレベーターからこんなですので……。
展示はざっくりと茶道具、刀剣、拵、大名道具、能面という流れ。高級感あふれる館内に展示されているものはどれも明らかに最上級のもので、場と物があまりに調和していて驚きすら覚えました。
刀剣は12振り。展示が高く、身長161cmほどの私が普通に立ち歩くだけで太刀の刃文にライトが当たり、肌も含めてとても見やすかったです。逆に薙刀は少し屈み、刀はだいぶ伸びる必要がありました。
事前予約制で来館者人数を制御しているので、ゆったりと見ることができます。『刀剣乱舞』に実装されている日向正宗の前も私が観測した限りでは人だかりができることもなく、興味のある刀があれば安心して足を運んで良いかと。刀とは別室で日向正宗の拵も展示されており、贅と技術の極といった感じでしたので、ぜひ合わせてご覧いただきたい。
ミュージアムショップは狭く、細々と物が置かれているのでちょっと注意が必要かもしれません。図録は2,500円。めぼしい刀はポストカード(110円)もあるのでそちらで満足するのも手かと。
私的感想:銘国信の太刀がとにかく美しい
美しかった。姿も肌も刃文も美しかった。
磨り上げですが今の姿でもバランス良く、けれど磨り上げ前の姿を想像するに大迫力で、つくづく見応えのある刀でした。実物があまりに素晴らしく、図録の写真では満足し難い。まったくのノーマークだったので嬉しい誤算でした。
国信は延寿系の刀工とのこと。延寿と言えば菊池市か……と『デジタル図録「同田貫」』や『DEVICE日本刀』(販売終了)を確認しましたが特に言及はなく。いつか現地での展示でお目にかかれると良いな。
お目当ての加藤国広は……いまいちピンと来ませんでした……たぶん慶長打なんじゃないかな……(晩年作はあまり好きでない)
こちらも年紀はなかったので、銘から推定してみようかと。
追記:音声ガイドはアプリ配信で会場外でも聞ける
……ということは覚えていたのですが、当日はイヤホンを忘れ後日購入しました。
アプリ「聴く美術」(App Store / Google Play)内で、610円で販売されています。アプリ自体は無料です。ナレーションは声優の関俊彦さん。大事なことなので2回言います。ナレーションは声優の関俊彦さんです。
データをダウンロードした後はオフライン環境でも聴けます。
最初の画面で聞きたいものを自由に選べますし、選んだ後は「前へ」「次へ」のボタンで前後を順繰りに聞くことも簡単です。
音声ガイドという名ではありますが、紹介している展示品の写真も表示されるので視覚面からも楽しめます。
画面の「拡大」ボタンを押して端末を横長に据えれば大きな写真で見ることも。さらにピンチアウトである程度の拡大も可能です。
音声内容はほとんど展示会場のキャプションには書かれていないもので、大変充実していました。「ちょっとくらい書いといてよ!?」と思うくらい。加藤国広は聞きながら見たらまた印象が違っただろうな……。
実物を見ながら音声ガイドを聞くのが理想的ではありますが、このガイドだけでも十分楽しめる内容になっています。先述した通り入館は事前予約制なので密になる心配はないと思いますが、それでも外出が憚られる方には特におすすめ。何せアプリなので、会場に行かずとも何度でも聞けるのはありがたいです。ナレーションが関俊彦さんですし。(3回目)
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