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富山が大好き(でぇすき)

昔から生まれた場所じゃない、どこか遠いところに憧れていた。

利便性が良いけど魅力はさほど無い海なし県で生まれて育ったので、雄大な自然や観光地・美味しいものがある場所。
いつかそんなところに移り住みたいと思うようになっていた。

北は青森、南は沖縄(修学旅行や研修も含む)、いろんな場所に足を運んだけれど、その中でも私が今いちばん思いを馳せている土地。それが富山県。

広くて綺麗な海と連なる山脈、空気も海鮮もお肉も美味しい。
初めて行った時から何度目かの富山旅行、今回は初めて1人で歩き回ったことを書こうと思う。


新幹線で大宮から左側の座席を選んで座ると、窓から北アルプスを眺めながら富山駅に到着できる。
長野までは窓側の席が埋まっていたけど、運良く富山までは空いていて、窓に齧り付いて眺めていた。
この時期は田んぼに水を張っていて、田植えの準備が始まっていた。

車内放送で「左手には北アルプスが見えます」と教えてくれた
車掌さんLOVE


途中に黒部川も通りつつ、富山駅に到着。
ドキドキしながら駅を歩いて「AMAZING TOYAMA」と書かれたフォトスポットを横目に改札を通る。
とても広くて綺麗な駅。でもそこまで人が多いわけでもなく歩きやすいところも好きだな。

さて、今回の目的地は雨晴海岸。
本当は行くか悩んでいたけれど、ライブカメラを見たら過去一立山連峰が見えていたので急遽決定。
ひとり旅はこういうことが出来るからいいよね。

あいの風とやま鉄道に乗るため改札へ向かう。
いつもの手ぐせでモバイルSuicaをかざして入場、電車の時間を調べる。
「…えっ、次の電車50分後!?」
10分、20分間隔で来ると思い込んでいて驚愕する。いいね、最高。こういう電車が好きなんだ。
それならば、と思い、入ったばかりの改札を出るために踵を返した。

賑わっているお土産屋さん。
ちょうどお昼の時間で、どうせ待つなら雨晴で海を眺めながら食べる食料でも探そう。
有名な鱒の寿司は駅弁屋でもたまに見かける。それでもいいけどどうせならここでしか買えないものがいい。
ウロウロしながらも、結局買ったのはおにぎり2つ。具は「ほたるいかの佃煮」と「氷見で獲れた鱒といくら」にした。
どちらも好物だったのでほぼ即決。それとペットボトルの緑茶を買って、また雨晴へと向かうホームに戻る。

私が乗るのは高岡行き
一万三千尺物語もきになる

電光掲示板を見て、少し悩む。
ホームはここでいいはずだけど、A1〜A2って数字は何だろう…?
以前乗った時のことを思い出す。そういえば電車の車両数がかなり少なかった。
足元を見ると番号が書かれていて、そこに立つんだなと判断できた。
初めて来るお年寄りや外国人には伝わりにくそうだな、と苦笑しつつ電車をゆっくりと待つ。

雨晴に行くには途中の高岡駅で乗り換える。
まずは高岡へ、と思いつつ座席に座り、窓の外に目を向ける。
大きな川を渡りながら電車は大きな音を立てて走り出す。
進行方向と逆側には雄大な山脈が見えた。
田んぼの中を白い軽トラがトコトコと走っている。
聴いていた音楽は「原風景」で、歌い出しの部分と今の状況がやや被っていた。
私が身を置きたい環境はこんな場所で、ここに貢献できる仕事がしたい。
富山を訪れて何度目かの今日、はじめて現実的に考えはじめていた。

いざ氷見へ

高岡駅で降りて氷見線へ乗り換える。
途中の駅舎のレトロ感と、そこを当たり前に使う学生たちを見て心底いいなあと思った。
次が雨晴、となったとき視界がひらけた。
さっきまで木々と家の横を通っていたのに、急に現れた水平線に視線を奪われる。
進行方向を向いて右側の座席に座ればもっと感動できたんだろうけど、生憎左側に座ってしまっていた。
親子が「すごい、きれい」と感嘆の声をあげていて、その隣で「当たり前の風景だ」と言わんばかりの学生はスマホから顔を一切あげていない。
日常にこれがあったらきっと私もそうなんだろうなと思いつつ、雨晴に到着した。

「しまった」と思った。
雨晴駅ではICカードが使えない。自動改札機もなく、駅員さんに切符を手渡しするしか方法がない。
それでも何とかなるのが現代で。
「帰りの駅で清算してくれれば大丈夫よ」と教えてもらう。
高岡から雨晴までの代金だけ支払って、お礼を伝えて外に出た。

海岸沿いをずっと歩きたいから、駅を出たらまず右に行く。
少し歩くと海岸まで抜けられる道が出てくるので、小さな踏切を渡って浜辺に抜ける。

海に行くためだけの踏切
念願の海も見え始めた



海岸に着くといつも静かで、風と鳥と波の音だけが聞こえる。その瞬間がいつも好きで、しばらくそこに留まる。
いつもは人と一緒に来るから自由に出来なかったけど、この日ばかりは何時までいても大丈夫。(電車の本数が少ないので目安は決めつつ)
富山駅で買ったおにぎりを取り出して、浜辺にあるベンチ(?)に腰かけ海を眺めながら食べた。

ちょうど松の木の影になってるところに座った


どこまでも透き通っている淡い青色の海と、右側には有名な女岩があって、そのずっと向こうに連なる立山連峰。
ずっと焦がれていた自然の中に、いま自分がいて、都会では感じられない開放感と脱力感をおにぎりと一緒に味わった。
上には大きな鳥(トンビかな?)がいて、おにぎりを取られないように気持ち急いで完食。

食べた後は少し海を眺めたり、波打ち際ギリギリまで寄って触ったり、急に伸びる波に襲われそうになってひとりで「ワ、ワァ…!!」とちいかわになりつつ楽しむ。

スマホ撮影
こんなに綺麗に見れるならカメラ持ってくれば良かったと後悔


女岩の方まで行って山を眺めて満喫した後、道路のすぐ向かいにある「道の駅 雨晴」で少し休憩。
ドリンクとスープ(2つとも汁でおなかたぽたぽ)を頼んで涼しい室内から外を眺めてまったり。
ふと店内を見ると旅行者向けのアンケートが置いてあるのを発見。こういうの、書きたくなっちゃうよね。
どういう経路で来たか、どこを回るのか、様々な質問に答えて応募箱に投函。
富山のいいものが当たるらしい。是非に。

左 サラトガクーラー 雨晴ver
右 花びらたけのスープ


駅まではまた海岸沿いを歩く。
舗装されてるところとそうじゃないところがあって、岩場で足を取られて少し転んだ。まあまあ、それも旅の思い出だということで。
そういえば、行きに私が見ていたライブカメラはどこにあったんだろう、と思いスマホで表示しつつ探してみた。
思いの外女岩よりも離れた場所に設置されていて、少し見つけるのに手間取った。
自分が写っていることを確認して、記念に1枚スクショさせてもらう。
帰宅してから気が付いたが、このライブカメラ自分で操作ができるらしい。
次に行くときはズームや画角を調整してまた撮ろうと決めた。

また来るよ


結局ここには2時間ほど滞在して、来た道を戻る形で富山駅まで帰った。
1人で海をのんびり眺めることなんてしたことがなかった。とてもリフレッシュできたので、またしたい。

今回宿泊するホテルは富山地鉄ホテル。駅から直結していて、商業施設も入っているみたいだった。
ホテルより上の階には居酒屋も入っていて、今夜はそこで日本酒と海鮮を堪能する予定にして、部屋に入る。
念のため電話をかけてみると「予約でいっぱいで…」と言われてしまったが、1人でも難しいかと尋ねたところ「今から18:30までならいけます!」とOKを頂けた。優しいお店だ…
少し早かったが、すぐ行くと伝えて店に向かった。

ちなみにこのお店、地鉄ホテルに宿泊している人なら飲食代から10%オフ(最大2000円引き)になるので、雨晴からの帰りに目を付けていたのだ。日本酒の種類も豊富でご飯メニューも豊富、味もとっても良かったのでまた絶対にリピしようと心に決めている。
店員さんに「日本酒を飲みに来ました。香りがあってスッキリめのをお願いしたいです」と伝えると黒部峡をおすすめしてもらう。
好みのドンピシャで一瞬にして店員さんのファンになった。

手書きメニューがいい味出してる
日本酒メニューは裏表でたくさんあった!ウレシイ
おすすめされたお酒
すっきり味でとてもおいしい


当初の目的だった生ホタルイカの刺身にもありつけ、酔っぱらっていい気分になりながら階下のホテルに戻る。

夜は雨だったけど、チェックアウトまでにはやむらしい。
雨音を聞きながら眠りについた。

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