わたしはきれいな吐瀉物を吐きたい

私は絵がきらいです。

まがりなりにも描いているくせに好きではありません。「描くこと」が好きではありません。育った家庭環境のせいもあります。
しかし絵を描き始めてしばらく経ったのですがこれがちっとも、おもしろいくらいに好きになれない。

絵を描かれている方をSNSでもよく見かけるようになって久しいですね。個人的な印象ですが「小さい頃から絵が好きで~」「大好きだから描いてるんです」と仰る方々が多いように見受けられます。

そんな方々を見ていたらたいへん肩身が狭い。だって実際好きではないのだし。でもウソはつけなかったので、そうした方々に「申し訳ないな…」「きっとそういう人間が描くべきなんだろうよな」という思いで心苦しかった。
いまだにその思いが拭えません。

そもそも絵を描き始めたきっかけが「高石さん、今のままだと指の筋肉なくなっちゃうから絵描いちゃおうか!」(色々ありすぎるのでひとまず割愛します)と、前の主治医にノリで言われたからです。これがまずひとつ。ガチのリハビリです。

そんな中で「どうせならもうちょっと上手く描きたいなあ」とか思ってしまったんですよね。欲が出ちゃったんですね。こんな感じでうっかり地獄行きの各停に乗ってしまいました。終点はたぶんありません。
絵を描かれる方、なにかをつくられる方にはちょっと分かって頂けるかもしれません。

そこに自分の欲と嫉妬と失望ともに執念が混ざってややこしくなる。おまけに今ネットをぶらりとしただけでべらぼうに素敵で上手くて無敵みたいな絵が次々出てきます。
バトルロイヤルか?ここは世紀末か?家にいるだけで気軽に魅力と画力の暴力で殴られるんだけど?

そして怒りや技量不足、悔しさはすべて自分自身に向く。自分の不甲斐なさは自分自身の問題なんです。多分筆を折るまで変わらないと思います。

そんなこんなで悔しがったりブチギレたりやさぐれたりしながらヒーヒー言いつつ根性と気合でひたすらペン先と心を潰しながら描いていたところ、気に入って頂けたり、お声をかけて頂いたりする機会が少しづつ増えました。悲しいかな、勿論食ってはいけませんが…でもとってもありがたいことで、感謝しかありません。本当にこんな未熟者なのに改めて感謝しかありません。

きっと私の手の感覚がもとに戻ることは多分ないかと思います。けれど6割くらい戻れば上々、と思っています。そもそも手がマトモだった記憶はとうに薄れました。
なので「仕方ないじゃんネー、治んないんだもの」くらいに開き直りました。

そもそも私の絵を見て下さっている方々に私の事情なんか関係ありませんからね。個人的にはそう考えています。

だからこそ私はきれいなゲ○を吐きたい。頭の中に渦巻くキモチワルイどうしようもなさを線に変え、紙に吐く。どうせならそのほうがいいじゃないですか。もったいないし。
幸い私という人間は後ろ向き・悲観的でネガティブでありながらも限りなく楽観的なんです。要はアホってことです。能天気かつテキトーなんでしょうね。イイ性格してんな!

長々と自分語りなどしてしまって申し訳ありませんでした。ここまで読んで頂けた猛者の方々、お疲れ様でした。お付き合いありがとうございます。

では今日はここいらで失礼しますね。

余談ですが、タモリ倶楽部に夢中になって更新が大幅に遅れました。

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