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【思い出話】市井紗耶香の芸能人生

 元モーニング娘。の市井紗耶香が2022年夏の参院選に再出馬することが発表された。2019年の参院選では次点で落選となったが、再び挑戦するようだ。さらに元SPEEDの今井絵理子も再選を目指していることから元アイドル対決として注目が集まっている。

 しかし、この記事を作成している途中、子育てと選挙活動との両立が困難として出馬を辞退するという驚きのニュースが入った。

 モーニング娘。としての活動は僅か2年。たったの2年ではあるが、未だに“元モー娘。”という肩書きがつく。今回はこれまでの歩みについて振り返っていこうと思う。

市井ちゃんの芸能人生① 〜モー娘編〜

 モーニング娘。の2期メンバーとしてデビューした当時は、どこか控えめな印象ではあったが、「真夏の光線」で髪型をイメチェンした辺りから少しずつ注目されるようになった。メインボーカルの安倍なつみの後ろでノリノリでコーラスをやっているのが好印象だった。

 その後は大型新人・後藤真希の教育係になったり、プッチモニで初代センターを務めたり、『うたばん』では“母さん”とイジられたりとグループ内で存在感をアピールし、モーニング娘。主演映画『ピンチランナー』の公開に合わせて広告ポスターが駅構内に貼り出されると、市井紗耶香と後藤真希のポスターが盗まれる騒動が起こるほど人気が高まっていった。

 グループ内でもトップ3の人気を獲得していたが、シンガーソングライターを目指すために卒業を宣言。ラストシングル「ハッピーサマーウェディング」では、新メンバーを除いて唯一ソロパートがなかったり、『ASAYAN』で特集が組まれなかったりと人気メンバーであるにも関わらず雑な扱いだったことから事務所とのトラブル説が囁かれたりもしたが、円満に卒業して芸能界から去った。

市井ちゃんの芸能人生② ~バンド編〜

 モーニング娘。卒業後の活動は同期の保田圭の場合だと、舞台・バラエティ番組で活躍した後に結婚。矢口真里はバラエティ番組に引っ張りだこの売れっ子タレントとなったが、自身のスキャンダルで世間を騒がした後に離婚、そして再婚…と簡潔に紹介できるが、彼女の場合は休業→バンドで復活→引退→タレントとして復活と短期間で濃い芸能生活を送っている。

 モーニング娘。の卒業から1年半が経つと、なぜか中澤裕子と共にフォークソングを中心とした企画アルバムでカムバック。全国各地で展開された発売記念イベントには多くのファンが押し寄せ、その人気は衰えていなかった。芸能界復帰のニュースは当時のワイドショーでもセンセーショナルに報道され、オリコン初登場9位と好成績を収めているが、20年以上が経った現在でもフォークソングでのカムバックは謎だった。

 フォークソング企画から数ヶ月後には、シャ乱Qのたいせいとギタリストの吉澤直樹と共に市井紗耶香 in CUBIC-CROSSを結成した。当時のモーニング娘。の勢いを借りて、『ミュージックステーション』や『うたばん』など民放各局の音楽番組に出演し、ソロとして大復活を遂げたことをアピールしていたが、CDセールスは一向に伸びることがなかった(11位→12位→17位→46位とリリースするたびに順位を落としていった)。CDの初回盤にはミニライブ&握手会の参加券を封入して少しでもセールスに繋がるようにと工夫を凝らしていたが、以前のような勢いを取り戻すことができなかった。モーニング娘。がアリーナ会場でコンサートを行う中、市井はライブハウスでの活動にとどまり、バンドは1年半で解散し、芸能界を引退してしまった。

 セールスは伸びなかったものの、ファッション誌「Seventeen(セブンティーン)」の表紙やキングコング・インパルスとラジオ番組のレギュラーを務めたり、「モンスターファーム4」の主題歌を務めた関係からソロでCMに出演したりと、それなりに活躍はしていた。

 引退時のコメントは以下の通り。

「これから、私は自分のなりたいもの、自分の幸せのもっとを探しに行きます。2度目の旅です。ちょっとずつでもいいから、わたしが強くなれるように頑張って行きます。いろんな人や物とふれあって、たくさんの刺激を経験したいです。歌が嫌いになったわけじゃなくて、もっとたくさんのことを経験したいって思うようになった。わがままって言われると思うけど、それも市井紗耶香だから。ゴメンね……」

 引退から数ヶ月後に発売された週刊誌において第一子妊娠、結婚がすっぱ抜かれ、妊娠が発覚したことによる引退であったことが明らかになった。しかも相手は同じバンドのギタリストであった吉澤直樹で、失望したファンも多かったであろう。

市井ちゃんの芸能人生③ 〜世間を震撼させた大人AKB参戦〜

 引退後は千葉県某所のショッピングセンターでのアルバイトが報じられることもあったが、何を思ったのか5年ぶりに芸能界に復帰を果たし、歌手からタレントに転身した。復帰一発目として『サンデー・ジャポン』に出演していたことを覚えている。

 復帰直後は東京ガールズコレクションにゲストモデルとして数回出演したり、日中友好40周年記念作品の映画で主演を務めたりとそれなりに活躍。その間に吉澤直樹と離婚したと思ったら、再婚・妊娠を発表し、ネットニュースでザワつかせた。

 最も世間をザワつかせたのが、大人AKB48オーディションの参加である。近年のインタビューで大人の事情が絡んでいたことを明かしているが、これがハロー!プロジェクトのファンから大きな反感を買ってしまった。バラエティ番組『有吉反省会』では禊として温泉・サウナ・銭湯の女性従業員で結成されたOFR48に加入し、センターを獲得したことでこちらも話題に(?)なった。明らかな炎上案件ではあるが、芸能界で生きていくための逞しさが感じ取れた。全ては話題になったもん勝ち。因みに大人AKBは最終選考で落選している。

 アイドル時代の給料事情を暴露したり、SNSで美容関係について発信したりしていたが、記憶に新しいのが約18年ぶりにハロー!プロジェクトのコンサートにカムバックしたことだ。復帰後は当時のメンバーと共演することがなく、共演NG説も一部では囁かれていたが、保田圭らと共に「ちょこっとLOVE」、矢口真里が加わって4人で「ハッピーサマーウェディング」を披露した。色々あって市井のカムバック公演はDVD化されることはなかったが、ニュース映像で確認することができる。

 DVD化できなかった埋め合わせなのかカムバックから数ヶ月後に行われたコンサートに再びゲストとして登場し、保田圭・矢口真里と共に「サマーナイトタウン」、そこに現役モーニング娘。が加わって「恋のダンスサイト」のコラボレーションが実現した。

 この公演に筆者も参戦したが、ブランクを感じさせないパフォーマンスに驚いたのと同時にOGの強さを思い知らされた。歴史的な和解(?)が実現したことで今後も定期的にOGゲストとして呼ばれるのかと思いきや、数ヶ月後に驚きのニュースが舞い込んだ。

市井ちゃんの芸能人生④ ~参院選出馬から現在まで~

何を思ったのか参院選に立憲民主党から比例で出馬したのである。最初はイロモノ枠として違和感が出るものだと思っていたが、いざ選挙演説の様子がSNSに投稿されると、意外にも元アイドルとしての違和感を感じることがなかった。しかし、世間からのバッシングが予想以上に集中し、YouTubeでも低評価が圧倒的であった。これは筆者も想定済みだった。開票結果は5万票を獲得しながらも次点で落選した。

 落選後は新しい芸能事務所と業務提携を結んだものの僅か3ヶ月で契約が解除になったり、2つのアイドルグループをプロデュース(その内の1つは夏まゆみ先生が関わっていたり!)したりとネット民をザワつかせた。

 タレント活動以外には立憲民主党の子ども子育て担当のコーディネーターに就任し、ツイッターでも積極的に情報発信を行った。最近だと都議選の際には候補の応援に回ったり、YouTubeチャンネルを開設したりと参院選に向けて着々と準備を進めていた矢先に今回の立候補辞退だ。

 現在はYouTubeに力を入れているようで、選挙演説で培われた(?)滑舌の良さをアピールしている。普通に字幕なしでも聞き取りやすい。筆者はこれからも市井紗耶香の動向に注目したいと思う。

Youtubeチャンネルはこちら→【いちいチャンネル】

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