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感想|KISS OF LIFE - TTG:FLO'Cardboard Box'感

デビューシングル「Shhh」の、Pristin Vを思わせるつよつよレイディ感(もっとザラついた強さ?)から、ちょっと気になってきている KISS OF LIFEの皆さん。あとはTWICEが日本で流行って、そこからSIXTEENを後追いした身としては、ナッティの念願のグループデビューなのも気になるポイント。同じように「あのナッティがついに!応援したいな~」という人は結構いると思う。

2枚目のEP『Born to be XX』は表題曲「Bad News」ももちろんカッコよいのだが、一番気になったのが4曲目の「TTG」。歌詞を聴く限り 'that that girl' の略なのかな。いずれにせよ、2022年のR&Bヒット曲の1つ、FLO「Cardboard Box」にめちゃくちゃ似ている!ギターが印象的なイントロからして似ているし、コード進行もほぼ同じ(たぶん)。明確に意識していると言っていいだろう。でも完全に同じわけではなくて、「TTG」の方が少しBPMが速くて、歌声もFLOの重厚感よりはもうちょい軽めでスムースな感じ。あとは韓国語がよく分からないので響きだけで聞いているのだが、サビ部分の「~けっち~」というところがすごく心地良い。K-Popが好きなのは、韓国語をメロディに乗せた時の音としての心地良さも理由に入っている気がする。

調べてみたらFLOとKISS OF LIFEのメンバーはほぼ同世代みたいだ。FLOはこのデビュー曲「Cardboard Box」がヒットして、いろいろな賞を受賞していたし、サマソニのステージ(しかも2つ目に大きなMountain Stageでの)も見事だった。SpotifyとコラボしたK-Popアイドルのオリジナルプレイリストや、あとはBehind the Scenes的な動画で口ずさんでいるのを見る限り、K-Popガールズグループのメンバーには、欧米の女性R&Bシンガーをリスペクトしている人がけっこういると思う。完全な妄想だけど、KISS OF LIFEのメンバーもFLOの曲を普段から聴いているんじゃないかな。今後実際に、曲を通じた交流とかあると楽しいな、とか想像してみたり。

K-Popではたびたび「パクり」が論争になる。全く同じ歌詞やサウンドならともかく、コード進行や曲の展開に厳密なオリジナリティなんて今更見出しづらいのだから、この「TTG」のように、制作陣がいいなと思った曲はどんどん下地にすればよいと思っている。そっちの方がカルチャー全体として面白いものができる可能性が高いように思うのだ。そもそも、その「パクられた」元だって何かしら過去の創作物からインスピレーションを受けたり、明確に参照してみたりしてきたはずだし。ちょっと外れるが、そういう権利関係を明確に管理し始めたとして、既に力を持った企業やアーティストがよりその立場を盤石にするだけで、それがイコール文化として面白いか、とはまた別な気がする。

だいぶ逸らしてしまったが、とにかくこの「TTG」は良い曲だ。いわゆるガールクラッシュ路線のグループの中でも、EDM的なサウンドで力強さを表現するグループは多かったが、R&B路線は個人的に新鮮で、KISS OF LIFEの楽曲やパフォーマンスがこれからも楽しみだ。

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