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感想|GOT the beat - Step Back

話題になっている歌詞に関する自分なりの感想。韓国語に全く明るくないため、和訳は他の方のブログから引いている。(いつか、歌詞の大意を理解できるくらいに韓国語を勉強したいと思っている。いつか...)
かなるび・和訳の引用元:「そるさんの韓国語和訳ブログ」

他者に依存した自己の規定

歌詞全体に通底するのは、「あなた(≒silly girl)」に対する非難。つまり「あなた」を下げることによって相対的に「私」を上げており、皮肉にも「あなた」の存在が自己を規定する柱になってしまっている。
では「私」に言及している箇所ではどうだろうか。結論として、これらの箇所においても、誰かしら他者に頼って自己を規定している印象を受ける。「Girls on Top」を標榜するグループにしてはあまりに脆く、ムードとして今っぽくなく、この歌詞でエンパワーされる人がいるようには思えないのだ。

0:40- ウィンター

날 가진 그런 Next level
なr がじん ぐろん Next level
私を手に入れたそんな Next level

→「彼」は「私」を手に入れたことによってNext levelに到達している。よって、「彼」は「私」という他者に頼って自己を規定している(と、「私」は思っている)。

1:40- テヨン

내 곁에서야 가능 Level
ね ぎょてそや がぬん Level
私のそばだからこそ可能な Level

→「彼」は「私」のそばだからこそこのlevelに到達している。よって、「彼」は「私」という他者に頼って自己を規定している(と、「私」は思っている)。

2:35- カリナ

남자들 다 똑같아
なmじゃどぅr だ っとっかて
男たちはみんな同じ

내가 뜨면 시선집중
ねが っとぅみょん しそんじpっちゅん
私が現れたら視線集中

→「私」は「男たち」の視線を集めていて、(ここから私の解釈)それが自分の価値である。よって、「私」は「男たち」という他者に頼って自己を規定している。

誰を批判するべきなのか

歌詞のクレジットにメンバーの名前が無い以上、言ってみれば最下流の工程を担当しているメンバーたちを批判することがナンセンスというのは言うまでもない。実際、そういった意見を述べている人は調べた範囲ではいなかった。

BoAがSMエンタテインメントの理事を務めていることを理由に、「何か物申すべきだったのではないか」という意見は一部あった。個人的には、以下のような何かしらの理由があり、意見を通すのが難しい状況だったのではないかと推察している。
・決裁者が年上で、年功序列の価値観を優先せざるをえなかった
・家族感の強い事務所関係者との関係性を重視せざるをえなかった

上記のことを考えると、やはり事務所を批判すべきという当然の結論に至る。今回に限らないことだが、せめて、嫌々パフォーマンスする曲ではないと全てのメンバーが思える状況を事務所が用意すべきように思う。セルフプロデュースまではいかなくとも。とはいえBehind the scenesみたいな動画を見ると、まあみんな朗らかに映っているので、あまり歌詞の深いところまで考えていない可能性もある。いや、彼女たちは紛うことなきプロフェッショナルであり、いちどやると決まったことに対して、Behind the scenesだとしても後ろ向きな態度はおくびにも出さないであろう。

「"Step back, silly girls" なんて言いたくない...」という気持ちを押し殺してパフォームしているかもしれないメンバーのことを想って。

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