感想|NiziU - HEARTRIS:10s後半K-Pop感、e.one感、Just the Two of Us進行
『Nizi Project』は全部観ていたものの、デビュー以降はNiziUのことをあまり追いかけてこなかった。しかしこの間、Spotifyのプレイリストで新曲「HEARTRIS」が流れてきて「ビビビッ!」と来たので、それが何ゆえか言葉にしてみたいと思う。
この曲を聴いてみてまず感じたのは、「ちょっと昔のK-Popガールズグループの曲っぽいな~」ということ。特に、Lovelyz「Wow!」や fromis_9「DKDK」、Cherry Bullet「Q&A」といった曲たちを何となく思い出した。チープな電子音に、印象的なベースライン、そしてビビッドなビジュアル。「Wow!」は当時めちゃめちゃ聴いてたな~
ガールクラッシュ or NewJeans的インディー感? といったように流行がざっくりと二分している中で、この曲を聴くと、上記のような曲を思い出し妙な心地よさを抱く。強さを称揚するメッセージ性とか「考察」、サウンドの新規性の発見を前提にしない、いい意味でのスナック菓子感というかなんというか。
あとは、明確に「この曲!」というのは思い浮かばないけれど、全体的なサウンドの浮遊感やシンセのギラギラ感がなんとなく e.one っぽいように思う。e.oneの手がけた曲は、宇宙少女「Secret」に惚れ込んでからというもの基本的に大好きで、もはや「e.oneが作ったなら好き」という段階に達してしまっている自分がいる。「HEARTRIS」には関与していないので、この記事で名前を出すのは変な話なのだが…笑
そしてこれは後で分かったことだが、この曲には「Just the Two of Us 進行」という流行りのコード進行が用いられているようだ。全くもって音楽理論に明るくない自分がなぜこのことを知ったかというと、結構な偶然のおかげだった。
先日観たYOASOBI の楽曲について、割とどの曲にも似た印象を抱くのはなぜなのか、あれこれ調べていたところ、こんな動画にたどり着いた。
多くのYOASOBIの曲でこのコード進行が使われているらしく、コメント欄に「Just the Two of Us進行」という通称が書いてあったので、どんな曲が該当するのかSpotifyで調べてみた。そうしたら予想通り、該当する曲を集めたプレイリストを公開してくれているユーザーがいて、そのプレイリストに「HEARTRIS」も入っていたのだ。
「Just the Two of Us進行」を解説している以下の動画によると、「D→C#→F→E→A」というのが正規の進行であり、その亜種として「D→C#→F」という、よりシンプルなものもあるらしい。そしてコードを検知してくれるサイトでこの曲を調べたところ、サビ部分で「E♭→D→G」という進行が出てきた。「D→C#→F」を半音ずつずらすと「E♭→D→G」となるので、絶対的な音階としては異なるが、相対的なものとしては同じで、それでこの「Just the Two of Us進行」に該当すると思われる。
このコード進行は、J-PopのみならずK-Popでも様々な曲で使われているようで、IZ*ONE「Panorama」やMAMAMOO「HIP」、aespa「Thirsty」といった、自分がK-Popガールズグループの曲の中でも歴代ベスト級に好きな楽曲でも用いられていることが分かった。正直なところ「ここでこう使われている!」というのをすぐに分かるレベルには達していないが、このコード進行がひとつの魅力になりうることは理解できた。
使っているタームや表現に変なところがありそうだが、そこは悪しからず。調べているうちに「E♭とD#って何が違うんだ?」「なぜこのコード進行をいいと思う人が多いんだ?」といった疑問が色々と湧いてきて、もっと音楽(曲というよりもっと根底の部分)について知りたくなってきた。
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