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記事一覧

感想|NEX_FEST:Ayase への共感、BABYMETALの主体性とファンダム、念願の9年ぶりBMTH

YOASOBI 開催およびラインナップが発表された時、一番驚いたのがこのアクト。他のアクトとあまりに音楽性がかけ離れていると思ったためだ。正直なところ、元々YOASOBIには良い印象を抱いていなかった。1stアルバム『THE BOOK』では同じようなメロディや、ラストのサビで半音上げる手法が繰り返されていて退屈したし、そもそも「Novel into music」というコンセプト自体、創造性を拡張するためではなく、タイアップをしやすくするために設定されたようしか思えなかった。

意見|竹田ダニエル氏のツイートから考えたこと:少しずつでも世界を明るくするために

竹田ダニエル氏の以下のツイートを読み、ちょっとしたモヤモヤを抱いたので、それをきっかけに考えてみたことを書き記す。 イスラエルとパレスチナの件はとても複雑だから、どちらかの立場に身を置いて発言することばかりが正しいとは思わない。(追記:ほぼほぼ一方的な虐殺の様相を呈しており、「複雑だし、ルーツ的にどちらにも関係ない自分みたいなのがどうこう言うのはちょっと…」というのとは別の次元で、今はとにかく「虐殺反対」を唱えるべきだと思っている。 さらに追記:また、様々な情報を調べている

意見|キングオブコント決勝における、観客・審査員の性別の偏り

10/21に開催・生放送されたキングオブコント2023決勝について、観客・審査員の性別の偏りに関する問題提起がTwitter(X)でなされていた。 このツイートをめぐって、さまざまな意見が飛び交っていたが、中には「それは違うのでは…」と思うものも見られた。この記事では、わたし自身の立場を示した上で、元ツイートに寄せられた批判や非難に対して反論していこうと思う。 今回の論点 元のツイートには以下3つの論点があると思う。 ①:観客が女性だけである点 ①':その観客が同じTシ

歌詞解説|XG - PUPPET SHOW

はじめにXGは女性の強さを称揚するにとどまらず、新曲「PUPPET SHOW」では想像上で男女を逆転させることによって、女性に対する根深い差別や差別意識について問題提起している。 MVには公式の日本語字幕がついており、日本語として自然であること・簡潔であることを重視していそうな訳になっている。もちろんこれはひとつの良い方向性なのだが、違和感を抱く箇所がちらほらある。そのせいでテーマが少しぼやけてしまっている気もするので、この記事では自分なりの訳を載せてみる。また、自分が気づ

感想|『LIGHTHOUSE』:ハイコンテクストな語り、弱者性と強者性

Netflixで配信されている、若林正恭氏と星野源氏が対談する番組『LIGHTHOUSE』。自分は2人の熱心なファンではないが、若林氏についてはエッセイ『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』を読んで、星野氏についてはラジオの書き起こしを何度か読んで、両者に対して「おかしいことはおかしいと、変にアジテートするわけではなく、時にはユーモアも交えて開陳してくれる、誠実な語り手」という印象を抱いている。ここでの「誠実」というのは、「公正で優等生的である」というよりは、「マジョリ

意見|結婚式・披露宴の妙なところを指摘するのは、ただひねくれているということなのだろうか

銀行からお金を引き落とす頻度がずいぶん減った気がする。大抵はクレジットカードやキャッシュレス決済で事足りるし、飲み会の時に手持ちの現金が無い時には、キャッシュレス決済の割り勘機能を使うことも多くなってきた。それでも現金をおろす機会がゼロというわけではなく、結婚式・披露宴へのご祝儀がそれである。こんなことをしなければいいのだが、今までの総額を数えてしまった。 しかも結婚式・披露宴に参加している時の自分は、これは自らの人間性の至らない部分を開陳してしまうのだが、実は新郎新婦への

ホモソーシャルなYouTuberたちの引力

きっかけは忘れたが、最近こんな記事を読んだ。「elabo」というZ世代向けWebメディアで昨年6月に出た記事。 詳細はぜひ記事を読んでほしいが、要旨はこんなところ。 男性複数名によって構成されるYouTuberが動画投稿を通じて内輪ネタを楽しむところに、男同士の絆(まさにホモソーシャル)を感じる こうしたYouTuberの動画には、テレビから排除された下ネタを補完するという機能がある(筆者はその思春期の視聴者への影響を「複雑な気持ち」と述べている) ネット社会ゆえに、

感想|GOT the beat - Step Back

話題になっている歌詞に関する自分なりの感想。韓国語に全く明るくないため、和訳は他の方のブログから引いている。(いつか、歌詞の大意を理解できるくらいに韓国語を勉強したいと思っている。いつか...) かなるび・和訳の引用元:「そるさんの韓国語和訳ブログ」 他者に依存した自己の規定歌詞全体に通底するのは、「あなた(≒silly girl)」に対する非難。つまり「あなた」を下げることによって相対的に「私」を上げており、皮肉にも「あなた」の存在が自己を規定する柱になってしまっている。

芸能人の政治的発言に関する雑感

この動画に対し「芸能人が政治について語るのはタブーという風潮を打ち破った」的な文脈で高い評価がされているが、それは甘すぎる。この人たちが政治的発言を勝手にタブー視し、またはタブーとされている状況に甘んじて、自らの影響力を適切に行使することを怠ってきただけのように思う。 このタイミングで声を上げたことに対してひねくれた見方をすると、政治が自分たちの食い扶持に関わるのだということを理解したタイミングだからこそ、やっと声を上げたのだと思ってしまった。 今まで声をあげてこなかったこと

映画『14歳の栞』制作陣による「聖域」侵犯

この投稿では映画『14歳の栞』を批判していますが、この批判は大人(制作陣、教員)に対するものであり、生徒に対するものでは一切ありません。 昨日、『14歳の栞』という映画を観てきた。3月に公開が始まっていたらしいが、公開前・当初からその存在を知っていたわけではなく、5月のいつだかにTwitterのタイムラインでこのツイートを見かけ「観てみたい」と思った。 この「観てみたい」という思いは、「自分が楽しめる作品だろうから観たい」というポジティブなものではなく、「この作品に対し