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ここから⇒人生の広場

池澤夏樹さんの短編集『きみのためのバラ』に『人生の広場』という話がある。
慌ただしい世間のレールから外れてふと立ち止まり、これからどこに行くかは時期が来たら決めればいいさ、としばらく広場を散歩して自由になることを自分に許す。人生の中でそんな期間があるとそれから生きるのが少し楽になるんだ、というような話だ。
経済的にも時間にもある程度の余裕があって、好きに使えるというのがその条件になる。そういう期間のことを人生の広場と呼んだのは池澤さんのアイディアだろう。その短編の中で話し手の男は受け継いだ遺産を背景に半年間パリで過ごすのだが、実は僕も今そのような状況を迎えている。

もちろん僕には遺産などないしパリにも行けない。そこまで突飛な状況ではないけれど、当面のお金に困っていないし時間の方は自分で区切りを決めるまで自由にできる状況にはある。だから、これが僕の人生の広場だと言ってしまっても差し支えなかろうと思う。
その中で沢山やりたいことがある。
決めなくてはいけないことがある。
行ってみたいところがある。

やりたいことのひとつが、定期的に自分の文章を公開する、ということだ。これは僕がずっとやりたくて、でも出来なかったことだった。だけど時間の制約を失った今、怠け者の自分のために毎週月曜日と木曜日、このnoteで文章を公開していこうと思う。内容については特に定めない。基本的にはエッセイということになるだろうけれど、音楽についてだったり旅行記になったり日記や散文のようなものになったりするかもしれない。

ここから僕の人生の広場が始まる。
行き先はまだまだ、見えてこない。

マキタ・ユウスケ


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