見出し画像

マグロ用バーブレスフックまとめ

 以前の記事で、マグロのリリースについて色々と思う所を書き連ねてみた。今見てみると結構トゲトゲしいことも書いちゃってるので、ちょっと手を加えなきゃならん気もする。

 とはいえ2023年度のキープ枠上限もさっそく突破。6月中はキャッチ&リリース含むクロマグロ釣り全体が禁止になったようで。釣ったら持って帰っちゃう、という現状はあまり変わってなさそうだ。この規制は来年度以降も続くだろうから、今後はリリースを推進していかないと、遊漁船の経営も厳しくなってくるんじゃないかなあ。

※7月も禁止命令が出たので記事にしました(相変わらず言いたい事言ってます)。

 さて、リリース前提ということならばバーブレス(返しの無い)フックの方がやっぱり色々と都合が良い。もし人に刺さってもすんなり抜けるという安全上のメリットもあるからね。ペンチなんかでカエシをつぶしてバーブレス化するという手もあるのだが、元からバーブレスのフックより刺さりやすさは落ちるし、傷がついた部分から錆びやすくなるのでやっぱりあんまり好きじゃない。

 そこで今回はマグロのキャスティングゲームに使えるバーブレスフックを各メーカーごとにまとめてみる。まとめてみてわかったんだけど、これが本当に少ないんですね。

(2023年6月現在、随時更新予定)


トリプルフック

オーナーばり

 言わずと知れた超大手の針メーカー。ルアー用の「カルティバ」ブランドを展開しており、大手だけあって種類も豊富。フックだけでなく、撃投ジグをはじめとしたメタルジグをはじめ、ワームといったルアーも多数ラインナップされている。いずれも店頭でよく見かける商品。

 ちなみに私はオーナーのマルチフォーセップを愛用。小さいスプリットリングでも開きやすい割に、先をねじるような扱い方をしても悪くならない耐久性が素晴らしいと思う。ただし、小さいスプリットリングだからと言ってSサイズを買うと失敗する。実はMサイズの方が先が細くなっているのでその点は注意。


 そんなオーナーばりだが、大物用のバーブレスフックはSTBL-66のみとなっている。

 これはルアー用トリプルフックの先駆け、ST-66のバーブレス版。マグロ用のルアーはST-66の号数・重量を基準にしている("業界標準の某社トリプルフック"などと呼ばれている)ことが多いので、付け替えても動きに違和感はほとんど出ないだろう。
 でも、実はまだ一度も使ったことが無い。というのも、ST-66は海水に付けると一発で錆びる印象が強い。最近のフックに比べると表面がかなりザラザラとしていて如何にも刺さりが悪そうだし、正直もはや時代遅れのフックかなという印象。その分、後述のがまかつやデコイの針に比べて安いのがメリット。


がまかつ

 オーナーばりと双璧を為す針製造の超大手。

 オーナー針よりもパキパキでよく刺さり、その割に針持ちもいい商品が多いイメージがあり、淡水で使うスプーンは全部がまかつ製にしたいのだが、近場であまり売っていないのと、好みの形状のバーブレスフックがラインナップされていないのが残念。フック以外の用品も多いのはオーナーばりと同じ。

 なお、がまかつのウロコ取りはけっこう優れもの。飛び散らず簡単・ラクにウロコが取れる上に、マダイやソイといったヒレの鋭い魚でも安全に作業が出来るので是非一度試してみてほしい。

 

 で、マグロ用として使えそうなのはこちらのトリプルフック。GT用だから強度的にも多分大丈夫だと思う。

 強力な防錆処理(錫+クリアコートらしい)が施されているとのことだが、その分高価になっており、一番小さい4/0でも12本6000円というなかなかのお値段。とはいえST-66は直ぐに錆びることを考えると、長期的にはこちらの方がお得かも。針のカーブは"業界標準"と異なっており、やや内側に向いている。こちらの方がフッキングは悪い代わりに刺さったら抜けにくいので、バーブレスとの相性はいいかもしれない(試してないので実際はわからん)。


カツイチ

 ここも有名どころ。ルアー用の「デコイ」ブランドの方が名が通っているかもしれない。

 カタログにあるのは、やっぱりトリプルフックのバーブレスでGT用。

 説明文にクロマグロもOKとあるので強度的には問題なさそうだ。OPEN価格だが、通販サイトを調べてみると実売で3000-4000円くらい。5本程度入ってこの値段だから、がまかつの24 GTとほぼ変わらない価格帯になる。これも特殊な防錆処理(錫+アクアブロック)がされているので、その分だと考えれば妥当かな。こちらも"業界標準"と異なり、針のカーブがやや内側に向いている。さらに針先がややネムリ形状となっているので口元にフッキングする確率が高く、がまかつよりも更にバーブレス向きだと考えられる。


マルトフック(土肥富)

 ここのフックはまず店頭で見かけたことが無い。が、私は消費の激しい渓流用のバーブレスフックをよく買っている。

 スプーン用のフッ素加工された刺さりの良いフックが大量にお安く手に入るのが良い。ミノー用のトリプルフック(バーブレス)もかなり安いのでお勧め。少量なら封筒で送ってくれるので送料が安く、何気に発送までが早くてその点も助かる。

 

 ラインナップにはマグロ対応のトリプルフックのバーブレスがある。

 刺さりの良い高価なフッ素加工がされているにも関わらず、4/0が5本で880円と滅茶苦茶安い。フッ素加工は錆び止め効果も高いのも嬉しいポイント。針の形状は"業界標準"と似ているため、とりあえずバーブレスを試してみたい人はこれで決まりか。耐久性が高くてこの価格ならばかなり嬉しい。


シングルフック

[現在使用中]ヤマイ

 たまーに見かける程度で、大手二社ほど店頭には並ばないメーカー。ブランド名は「ステキ針」だが、聞いたことのない人がほとんどでは。

 アシストまたはリング付のシングルフック2種類が展開されていて、どちらも「ジギング魂」の通販で買えるので入手しやすい。

 2本で大体1000-1500円くらいなので結構高めだが、シルバー(銀?)コーティングされているし、耐久性はあると思う。

 なお私は現在、このシングルフックを使用している。というのもマグロのキャスティングに使えるような大型のバーブレス・シングルフックは現状、この商品しかないからだ

ヘッドディップ200 mmにリングタイプ(4/0)を装着

 このフックで何度かマグロも掛けているが、針がかりが悪いとか、バラしやすいとかは思ったことが無い。マグロの場合、「ヒット→反転して一気に数十~百m程度走る→フッキング→ファイト開始」といった流れになるが、シングルフックだと走っている間にカンヌキ部分にフックがかかり易く、バーブレスということもあって抵抗も少なく簡単にフッキングする。そして一旦掛かってしまえば、あまり首振りせずひたすら走るタイプの魚なので、ラインを張っている限りはまずバレない。よってシングルフック装着はけっこう理にかなっていると思う。トリプルフックと比べて軸が相当太いのでマグロの強烈な引きで延ばされることもほぼ無いのも安心。

おわりに

 このように、①マグロという魚の習性からフッキングしやすいこと、②かかったらバレにくいこと、③針が伸びにくいこと、④リリースし易さ、⑤そして何より安全性の面から私は現在、バーブレス・シングルフックを採用している。

 どんな魚に対してもそうだが、フック選びに関わらず、釣りという遊びはターゲットに近づくまでの過程が悩ましく、そして楽しい。「ベスト」なセッティングを出すのは難しいかもしれないが、「よりベター」を探して日々腐心するこの瞬間こそが釣りの醍醐味なのだと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?