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ホッチキスが無ければ今頃スマホなんて無かったかも知れないっていう話

バチンッという軽快な音と共に綺麗にまとめられた書類を見ながらふと思った。

実はホッチキスって偉大なんじゃないか。

オフィスでは一般的な文房具の1つとして、机から登場しては数枚の書類を束ね、感謝もされず乱暴に戻されるホッチキス。

もし、ホッチキスが無ければどうやって書類はまとめられたのだろう。
確かにドッグイヤーのように隅を折って束ねることができるかもしれない。
穴あけパンチで空いた穴に紐を通して管理していたかもしれない。
思いつく限りのまとめ技を考えても、ホッチキス以上に機能的なものは思い浮かばない。

それほどまでにホッチキスは唯一無二の、完成された文房具だ。

あの一瞬で綴じられた書類達は一蓮托生の運命を辿り、なかなかの事がない限り解散など有り得ない。

、、、なんてことを昼ご飯中ぼーった考えていた。
他愛もないけれど、考えだすとキリがなく
あの極めて無機質で飾り気のない文房具が、何故か凄まじい因果を背負っているように見えた。

そして、ふとホッチキスが無い世界、そんなパラレルワールドはどんな世界か気になりだした。

その世界はこの世界と同じ技術で時間を歩み、ホッチキスだけが存在しない世界だ。

当然、人間は頻繁に紙を使う。その世界でもきっと同じだ。しかし、ホッチキスなんて無いのだからその紙をまとめようがない。
パンチで穴を開けてまとめるだろうか、ドッグイヤーのようにしてまとめるだろうか。
当然、人間は煩雑な事を嫌う。いつのまにか、その手間を惜しみ紙を重ねるだけになるだろう。
もちろん。全てての紙がまとめられないわけではない。
だが、何割かの横着な人間が紙をまとめず重ねるだけの保管をするだろう。

紛失し、どこかに紛れ、あるべき時に書類が無いということが頻発する。

それを繰り返し、全世界どこかで数秒の遅れが生ずるはずだ。

具体的に数値を入れて仮定しよう。

1枚の紙を探すのに30秒かかるとする。
これに現在の日本の数値を使って大雑把に考える。

日本の人口1億2000万のうち、2019年の雇用者は6043万人らしい。
そのうちほぼ毎日紙に触れる必要がある人達を第三次産業の人々に限定して仮定する。
その人数比も第1次、2次、3次が均等に分かれているとすると
およそ2000万人の人が毎日紙に触れる機会があることになる。
その中で、紙を紛失する恐れがある人間として大雑把な偏見のあるo型の人間が必ず1日1回無くすとする。

A型、B型、AB型、O型が均等に存在するとすれば、500万人の人間が1日1回、30秒かけて紙を探すことになる。
500万人×30秒=1.5億秒=250万分=およそ42000時間=だいたい1750日
その世界では日本全体の仕事量が、1日で1750日分ずつずれていくことになる。

あくまで仮の話だ。

ホッチキスが生まれたのは、どうやら18世紀でフランスでのことらしい。
この時代にはおそらく、USBなどに文書を保存する技術なんて無かったはずだ。
PDFなんて訳の分からない3文字英語もなかっただろう。

そう考えると、大切な内容はおそらく紙の文書での保管だったに違いない。

ホッチキスが生まれるはずだった18世紀から、ざっと300年ほど人類が世界のどこかで書類を紛失し続けたとすれば

相当な時間、ホッチキスがある世界と比べ遅れを取っていると考えられる。

今現在、我々が当たり前のように使ってるデジタルな製品など
もう少し後に生まれていたかもしれない。

あの小さなボディがあるか、無いか
たったそれだけのことで文明だって変わる可能性がああった。

風が吹けば桶屋が儲かるように、ホッチキスが無ければスマホは生まれなかったのだろう。

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