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徒然に読書メモ

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本の感想に主眼を置いた投稿をまとめています、何らかのきっかけになれば、望外の喜びです。
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#歴史

いろいろ悩みましたが、、【 #愛読書で自己紹介 】

 新年に入りふと思い立ち、少し前から note を始めているのですが、読書系の記事を辿っているうち、面白そうな企画「#愛読書で自己紹介」を拝見したので便乗させていただこうかな、と。 正直、3人・3冊に絞り込むのはどうにも悩ましかったのですが、、今回はこちらの3作品にしてみました。 『桜宵』(北森鴻)  三軒茶屋の路地裏に静かにたたずむ「香菜里屋」というバーを舞台とした連作短編集です。中でも特に印象に残っているのが「桜宵」の一編、「御衣黄」と呼ばれる、その名が示すように「

【読書メモ】『マキアヴェッリ語録』(著:塩野七生)

相変わらずに、岸田政権での実績の積み重ねはすさまじいものがあると思いますが、それだけにむしろ近い将来の有事への危機感を突き付けられているようで、安穏とした気分には到底なれないなぁ、とも感じています。 そんな中、ふと思い出したのは『マキアヴェッリ語録』との一冊。題名にもあるマキアヴェッリは15-16世紀にかけてフィレンツェ共和国(現イタリア)の衰退期に生きた政治思想家で、その思想はマキャベリズムとの言葉で表現されることもあります。 そのマキアヴェッリが傾倒した同時代人がカン

【読書メモ】『ローマ人の物語Ⅱ - ハンニバル戦記』(著:塩野七生)

大学では「歴史学」を基礎学問として学び、卒論では「明治期の博物館」をネタにした覚えがあります。普通に就職する予定だったからか、指導教授からは「優」をいただいた覚えも、、先日久々にざっと見返したらちょっと赤面モノでしたが、これもまた(黒)歴史とでも言いますか。 さて私が学生だった当時、物語として歴史を紡いでいくことに対しては、司馬史学なんて揶揄も込められての扱いが主流でした。ここ最近の動向はわかりませんが、広く社会に還元していくのであれば、また人々が生きていくための道標の一つ

【読書メモ】『ローマ人の物語Ⅰ ローマは一日にして成らず』(著:塩野七生)

塩野七生さんの『ローマ人の物語』、シリーズ自体は1992年から始まってますので、存在自体は大学生のころから知っていましたが、初めてきちんと読んだのは文庫版が出始めた2002年のころでした。確か、ちょうど仕事で金沢に入ることが多く、そちらのお供に羽田空港の書店で買い求めていたのを覚えています(北陸新幹線の開通前です)。 その後、続きが気になってもハードカバー版には手を出さず、2011年に完結した文庫版(全43巻)を追いかけていたのですが、数年前にふと思い立ち、ハードカバー版で

【読書メモ】『歴史とは何か(旧版)』(著:E・H・カー / 訳:清水幾太郎)

初めて手に取ったのは確か、大学1年時(1994年・ナリタブライアン三冠の年)の最初の史学概論(だったかな?)でのテキストにて。著者E・H・カーさんの1961年のケンブリッジ大学での講演録を基調にしていている一冊です。日本での初版が1962年ですから、訳語としての言い回しも古く、正直とっつきにくい部分もあったのを今でも覚えていますが、内容としては今でも古びてないなぁ、、と。 といった点は、私にとって非常に肚落ちのする内容で、今現在(2024年)にいたっても、各種の物事に対して

【読書メモ】『想いの軌跡』(著:塩野七生)

何やら先日、自衛隊の方々による靖国神社参拝について取り沙汰されていたようですね。参拝そのものは元々予定されていたそうですが、公用車を使っての(&部隊としてのも?)参拝が、内規(事務次官通達?)に抵触する可能性があるとのことです。これは、政治家が正していくべき仕事です。憲法への自衛隊の明記もそうですが、自衛隊の方々が一人の日本国民として動きやすいよう、環境を整えていただきたいな、、と。機会をみつけて地元の議員さんにもお願いしておこう、、なんて考えながら、ふと思いだしたのが、こち

【読書メモ】『ハーバード白熱日本史教室』(著:北川智子)【タイトル変えました】

「歴史」と聞くとどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか、また、中学や高校での歴史の勉強(日本史や世界史)を面白く感じたことありますか、、私自身、大学では史学科(近代国史学)だったのですが、正直、中高では面白いと感じたことなかったです(その割になぜ史学科を選んだのかは、今でも“衝動”としか言えなかったりしますが)。 年号や人の名前などの少し調べればわかること“だけ”を覚えさせられて、概ねそこで嫌気がさして離れてしまう、といったケースが多いのかな、と個人的には思います。いっ