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徒然に読書メモ

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本の感想に主眼を置いた投稿をまとめています、何らかのきっかけになれば、望外の喜びです。
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#連作短編

いろいろ悩みましたが、、【 #愛読書で自己紹介 】

 新年に入りふと思い立ち、少し前から note を始めているのですが、読書系の記事を辿っているうち、面白そうな企画「#愛読書で自己紹介」を拝見したので便乗させていただこうかな、と。 正直、3人・3冊に絞り込むのはどうにも悩ましかったのですが、、今回はこちらの3作品にしてみました。 『桜宵』(北森鴻)  三軒茶屋の路地裏に静かにたたずむ「香菜里屋」というバーを舞台とした連作短編集です。中でも特に印象に残っているのが「桜宵」の一編、「御衣黄」と呼ばれる、その名が示すように「

【読書メモ】『タルト・タタンの夢』(著:近藤史恵)

少し前、家内が旅行先でいただいたフランス料理、美味しかったよねぇ、なんて話していて思い出したのが『タルト・タタンの夢』との一冊。 作者は近藤史恵さん、私が初めて読んだのは自転車競技を題材にした『サクリファイス』でしたが、こちらの舞台は気取らないフランス料理店とどうにもお腹がすく内容で、連作短編形式となります。 メニューは全部で7品、“タルト・タタン”から始まり、“ロニョン・ド・ヴォー”、“ガレット・デ・ロワ”、“カスレ”などなど。正直フランス料理にはさして馴染みがなかった

【読書メモ】『ホーンテッド・キャンパス・シリーズ』(著:櫛木理宇)

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)、読んだ覚えがあるような、ないような、、『怪談』との書名は国語の授業とかで取り上げられていた覚えも、、まぁ面白いところついてくるけど、夏を過ぎての秋始まりなんだぁ、と、こちらのネタを思い出しながら。 さてホラー系というと『リング』や『夜市』、『陰陽師』などが思い浮かびますが、その中でもなぜか『ホーンテッド・キャンパス』のシリーズは全巻揃っていたりします(『陰陽師』は途中でとまっています)。 1作目が2012年発行ですから10年以上続いている

【読書メモ】『シャーロック・ホームズの冒険』(著:アーサー・コナン・ドイル)

今年のコナン君の映画も好評のようで歴代1位も更新したようです、、凄いですね。コナン君というと各国各時代の名探偵がモチーフ?になっていますが、一番はやはり「シャーロック・ホームズ」だよなぁ、と、映画を見る都度思い出します。 そのホームズさん、デビュー自体は長編『緋色の研究』ですが、人気に火が付いたのは『シャーロック・ホームズの冒険』としてまとめられることになる「ボヘミアの醜聞」から始まる連作短編シリーズだったようです。 昔から小説だと連作短編系が一番食指が動きやすいです。恐

【読書メモ】『阪急電車』(著:有川浩)

そういや今年は阪神競馬場が改修中だったなぁ、、(JRA職員の)家内が「今年は京都出張が増えそう」なんてぼやいてたなぁ、とか考えながら思い出したのが『阪急電車』との一冊、個人的には大好物の連作短編系。 片道15分の関西ローカル線を舞台とした連作短編集となります。その沿線に住む人々の、日常の重なりを有川さんらしく、テンポよく。 登場する人々も魅力的ですが、主役は題名通りに阪急電車(今津線)となるのでしょうか。往復で半年のタイムラグを設けているのも絶妙で、一気にほっこりと読めて