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【Q&A】皮様嚢腫2.5cm、挙児希望

Q.皮様嚢腫 2.5cm、妊娠希望、切除したほうが良い?(一部改変)


ご質問ありがとうございます。
たなかゆうすけがお答えします。
皮様嚢腫(成熟嚢胞性奇形種とも言います)があるということで、ご心配のことと思います。

皮様嚢腫は、卵子が未受精卵の状態から単独で赤ちゃんになろうとして発生するものです。発生する原因ははっきりわかっていません。

皮様嚢腫は一般的に不妊の原因となることはないため、『妊娠を希望しているからとりあえず切除』ということはありません。

手術を行うかどうかは、サイズやどのくらい悪性(がん)の疑いがあるがあるかで決めることが多いと思います。
以下に一般的な手術を行う条件を述べますが、個々人によって手術を行う条件は多少異なります。

卵巣はおなかの中で血管に吊られているような構造をしていますが、腫瘍があるとこの血管を中心に捻じれてしまうことがあります。
これを『茎捻転』と呼びますが、腫瘍のサイズが大きくなると茎捻転を起こしやすくなるため、ガイドラインでは径が6cm以上の場合、手術が推奨されています。
すでに茎捻転の症状がある場合も手術の対象となりますが、症状はかなり強い腹痛として自覚されます。
もしそういった症状が出現した場合は、早めに医療機関を受診してください。

悪性の疑いについて、超音波検査や血液検査、画像診断(MRI)での推定はできますが、診断精度には限界があります。
確定診断は手術後の病理検査で行います。
しかし、悪性の可能性が否定できないからすべて手術を行うかと言えばそういうわけではありません。
若い方でサイズの大きくない方はがんの可能性は高くないため、手術を選択せず経過観察とすることはあります。
この場合、定期的にフォローしながら変化をみていくことになります。
悪性を強く疑う場合は、手術を行うことになります。

結局、一概に手術をしたほうが良いとは言えませんので、個々人に合わせて判断することになります。

MRI検査がまだであれば、そこから始めていくのが良いのではないでしょうか。

ご希望があれば、実際に手術を行う先生のご意見を聞いていただくことも可能ですので、ご相談ください。

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