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番外編 IT黎明期のこぼれ話

はじめに

私のtwitterでの呟きを抜粋してまとめます。気楽に読んで頂けたら嬉しいです。

エピソード1 高速にスーツを着る先輩

私が新人だった頃、「スーツを一秒で着れる」という先輩がいた。私がその妙技を見せてほしいとお願いすると、「お前には見る資格はない!」と断られる。なかなかアクの強い先輩だった。

私の同期の女の子が「え~?私見てみたいなぁ」と言った瞬間、先輩は「しょうがねえな・・・」と言いながらまんざらでもない様子で、やおら、ゆるりと机から立ち上がって上着を手に持つや、真剣な顔つきで一呼吸したかと思うと、バン!!!と大きな音がした後、確かに先輩はスーツを着ていた。

それを見ていた新人達から「おお!」という声が上がる。思っていたより本格的な妙技であった。

馬鹿馬鹿しくも、なんだか爽やかな感動に包まれたのであった。

エピソード2 黎明期の混沌

私が新人としてIT企業に入社した平成一桁の昔。職場の雰囲気は自由闊達で皆がリラックスしていた。笑い声が職場に響き、仕事してるのか遊んでいるのか分からない。そうかと思うと、夜11時になっても誰も帰らず仕事していたり、仕事が終わると朝まで呑み会、そのまま仕事を始めるという事も珍しくなかった。

ある朝、出社したらトイレの便座に顔をうずめて寝ていた人もいる。あるいはエレベーターのドアの間に挟まれたまま寝ている人もいた。エレベーターがバッタンバッタンと閉まったり開いたりしているが、彼は目覚めることなく熟睡していたという。

今振り返ってみると割と面白い時代だったなと思う。

エピソード3 東北から帰って来なかった人

昔、ある協力会社の社員が連絡もなく出社せず。

電話かかってきて「今、東北にいる」と。なんでもバイク旅の途中でバイクが故障し、所持金がなくて電車にも乗れずに帰れないから、しばらく出社できませんと。あの時は社内に乾いた笑いが起きたなぁ。自由すぎる。バブルの時代はのどかだった。

エピソード4 先輩の秘策

昔、入社して最初に先輩の竹下さん(仮名)に教わった裏技。「コードのauthor(所有者)は他人の名前にしておけ」

何をいってるか分からないまま、とりあえず山田さん(仮名)という別の先輩の名前で、あるコードを書いた。数年後、私の書いたコードの不具合を山田さんが懸命に直していた。「こんなコード書いたかなぁ?」とぶつぶつ言いながら。なるほど、そういう事か。

後に私がベテランになった頃、今度は後輩達が私のコードをコピペして新しいコードを書くときにauthorを私の名前のまま作成。大量のコードが私の名前のままに・・・歴史は繰り返す。

エピソード5 PCと会話する先輩

私がソフトウェアエンジニアの業界に入ったおよそ30年ほど前。社内のエンジニアはブツブツと独り言を言う人が多く、しかも「お前もそう思うだろ?」と言ってくるので「どうしたんですか?」と私が聞き返すと「あ、独り言だから気にしないで」と言われる。せめて自己完結で呟いて欲しいと思った。

新人の頃は良く分からなかったが、何年も開発者としてコードを書き続けていると、そのうちPCに話しかけるようになる。話しかけている事すら無意識なままに話しかけている。後輩から「え?先輩、何か言いました?」と言われて、はっと我に帰る。

そう、やっぱり歴史は繰り返すのだ。

To Be Continue..思い出したら呟きます!


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