見出し画像

札の辻

皇居、東京駅方面から南に降りてきた道が南西に曲がる辺りに札の辻はある。JRの線路も浜松町から田町にむかって南西にカーブし、田町を出た辺りで品川の方に南に向かう。

江戸時代は高札がかかった場所だったそうで、それで「札」の「辻」だそうだ。もともと芝浜と呼ばれていたエリアで、かつては芝浜とよばれたエリアも近く芝浜中学という学校もあった(現在は近隣の港中学と合併して三田中学となっている)。また戦前は旧浅野財閥の総帥である浅野総一郎の邸宅「紫雲閣」という豪華な建物があったそうである。

札の辻交差点にはかつては歩道橋があったのだが、現在は撤去されている。古くなったせいも有るし近隣の再開発の影響もあるのだろう。再開発が進めば、おそらくだが、田町方面からは地面に降りずに道路を渡れる空中回廊が作られるのだと思う。再開発は大規模なもので、現在巨大なビルが立ちはだかっている。工事中に撮ったこの記事のタイトル画像の景色はもうない。一時期は背後の三田台の上にある丹下健三の設計のクウェート大使館がまるで丘の上の城のように建っているのまでがみわたせたのだが、今では再び高いビルの影に隠れている。

その札の辻には線路をまたぐ大きな陸橋がかかっている。橋は大きくカーブしながら海側に向かっている。橋の南側はかつてはJR、国鉄時代からの操車場だったが、現在は絶賛再開発中である。

橋をわたった先は埋立地になるので、道路は整然としている。また運河も走り、景色も変わる。一番手前のあまり幅の広くない運河は新芝運河というそうだが、今ではたまに船が通る程度のものだ。南側には三田警察署(この建物の前は機動隊のベースだった)、ベイビュー、ベイサイドといった海っぽい名前のマンションが並ぶのだが全く海は見えない。道の先は行き止まりである。

(撮影 2023/10)


model: 礼愛 @rea.styles(Instagram)
model: 礼愛 @rea.styles(Instagram)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?