私が古河市長になったら?教育編1

 孟母三遷という言葉をお聞きになったことがありますか?孟母とは孟子の母のことで母は、はじめ墓場のそばに住んでいたが、孟子が葬式のまねばかりしているので、市場近くに転居した。ところが今度は孟子が商人の駆け引きをまねるので、学校のそばに転居した。すると礼儀作法をまねるようになったので、これこそ教育に最適の場所だとして定住したという故事です。

少子化人口減少の対策で補助金を出したり、保育システムを充実させたり、校舎のエアコン導入というのはどこの自治体でも行われるもので、それをしたら若年世代が増えるということには単純にならないと思います。多分そういった考えは15年前ならいささか先進的な対策だったかもしれませんが周辺自治体が行ったらたちまち目立たなくなってしまいます。20歳までの医療費無料というのは18歳成人の時代になると意味がなくなってしまいます。18歳が成人となり犯罪を犯したら氏名公表、少年法の適応外となる時代になってきています。

 他市町との差別化が必要です。そのひとつとしてあるのが教育システムの提供です。でも特段新しいものではありません。実は私たちの日本には江戸時代に先進的な教育法があったのです。江戸時代の初等教育に使われた読み書きは実はすごい教育でありました。書き読みではないのです。読み書きつまり素読から入り漢字と言葉の構成を体得してから字を習いつつ意味を知る。そして何度も繰り返される素読によりその言葉が心の奥底に刻まれます。四書五経という漢籍を読むことで規範意識を身に着け、活字に抵抗のない脳構造になれば本を読みその内容を理解し思索することが容易になるのです。この本(文章)を読み理解できる能力がICT教育をさらに深めることができるとわたしは思います。ICT教育(情報通信技術教育)・英語教育(会話教育)に実は欠かせないものに国語力があります。これを基にした論理構築力を効率よく身に着ける方法の一つが素読にあります。ICTとはいっても黙っていれば子供たちは遊びだしてしまいます。興味の赴くままにネットの世界の果てまでも行ってしまいます。つまりネットリテラシー(インターネットリテラシー;理活用能力)の教育も当然必要になります。このリテラシーについても素読の基礎があれば自制心を涵養し誤る可能性が低くなります。

 さて、これらをもとに教育システムを考えるとまずは、母親が精神的に安定を保つために、景観を整え町の緑を増やし、多彩な趣味音楽のある街となるようなインフラ(文化センター・図書館)をつくります。そして食卓を支えるために新鮮な食糧(主に野菜ですが)を供給し、産婦人科医と小児科医の数を増やし、保育所の拡張と保母さんのサポーターとして祖母世代の協力を得て乳幼児の受け入れ態勢を作ります。5歳あたりから素読教育を始めます。すると漢字や文字に対する興味がわきます。興味がわけばどんどん難しい漢字に挑戦していきますから放っときましょう。朗読も分けなくできるようになります。文章が読め理解できるようになれば学力も付きます。簡単に飽きない集中力の子はスポーツも上達します。挫折しても素読で身についた言葉を頼りに立ち直りがはやくなり、素読で身に着けた結束力と包容力でいじめることもなくなるのではないでしょうか。

 こうなることを標榜しアピールすることにより全国の孟母が当市に集まります。よく考えればこれを実行するのに莫大な予算がかかるものではありません。子供に自信と意欲を持たせれば親も行政も街も自信と意欲が湧き、高齢者も自信に満ちた元気な子供たちが増えればおのずと元気になり、ボランティア活動や文化活動に積極的にチャレンジし、結果寝たきり認知症のお年寄りも減らせることになるでしょう。体育館は旧市町それぞれにあります。ないのは文化センターと図書館です。文化センターは体育館建設費プラス10億円で作れます。すべてはいままであったものを次元を変えて活用する発想が必要です。なにせ自治体には国と違って簡単にお札を刷れませんからね。

さらに教育システム編2に続きます。


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