第64回祝 潜伏キリシタンが世界遺産

1、導入

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」

が世界文化遺産への登録の決定を受けたという報道がありました。

禁教下で弾圧を受けながらも、独自の信仰形態を守り伝えた得意な歴史を物語る遺産

として評価を受けたようです。

我が国の文化遺産が世界から評価を受けたことをまずは寿ぎたいと思います。

2、隠れキリシタンは日本各地に

その上で潜伏キリシタンについて少し。

実は東北にも隠れキリシタンがいた、との説が結構あるんです。

職場に突然

「隠れキリシタン学会」

を名乗る方から問い合わせがあったこともありました。

確かに

マリア観音

と呼ばれるような子安観音を祀る家もあったようですし、

十字架が隠されているような意匠の家もありました。

気になって研究書を読んだこともありました。

宮城には政宗の命で遣欧使節となった支倉常長にまつわる伝説もあることから

隠れて信仰を守っていた人がいてもおかしくない、

と思わせるものがあったのでしょう。

学術的に実証することは困難ですが、ロマンを抱くことはできるかもしれません。

3、迫害を受けた信仰形態は

先に紹介した研究書

「隠れキリシタンの実像」

にもありましたが、

禁教下にあって、宣教師もおらず、

仏教や神道を隠れ蓑にしながら

200年を超えて信仰を守っている間に

大元のカトリック的な信仰の形態とは大いに異なるものになっていたようです。

明治になって禁教が解かれた後にも

カトリックを受け入れた層とそうではない層があったようなので

キリスト教の要素を残しつつ、全く別の宗教となった感もあります。

「禁教下での潜伏によって独自の信仰形態となったキリスト教」

それは世界的にまれなのでしょうか。

中国でも三武一宗の廃仏と呼ばれる仏教弾圧がありましたし、日本でも明治には廃仏毀釈と呼ばれる動きがありました

キリスト教も古くはローマ皇帝によって迫害を受けています。

いずれにしても200年という長きに渡って継続したものはありません。

隠れている間に様々な要素を取り入れて独自に発展する、

それも感覚的にはすごく日本的だと思います。

ユネスコでは賞賛の意見が多数出されたそうですが、そのあたりまで理解されてのことだったら嬉しいですよね。

多様性が許容される時代になってきた現代。迫害されてきた人々に光が当てられ、世界に発信される。

この世界遺産登録がいいきっかけになってくれればと思います。

#潜伏キリシタン #ユネスコ #世界遺産 #迫害の歴史 #支倉常長







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