第143回 マトリョーシカと寄木細工の源流は

1、民俗文化材の魅力

月刊文化財654号は
◆新指定の文化財―民俗文化財―

を特集していました。

国の指定・登録文化財は毎年審議会が開催され、新たなものが追加されています。

月刊文化財では新たに指定・登録になった文化財を類型ごとに紹介しています。

民俗文化財とは一般庶民の日常的な生活文化の歴史を知るための資料となるもので、

神楽や祭礼などの無形民俗文化財と

農具や漁具など実物資料の有形民俗文化財とに分かれます。

2、江戸時代の土産物が海外へ

今回新たに登録文化財となったものの中で取り上げたいものは

箱根細工の製作用具及び製品 1677点 
 箱根町立郷土資料館所蔵

です。

箱根山地の木地師の挽物を源流とし、江戸時代には東海道の旅人や箱根温泉の湯治客の土産物として発展、幕末以降は海外にも輸出された工芸品です。

なかでも寄木細工は様々な樹種を用いた複雑な美しい模様の装飾が特徴で、小箱や箪笥などが知られています。

シーボルトの紀行文『江戸参府紀行』でも「精巧なる木細工」をみたことが記されています。

面白いのは「十二玉子」と呼ばれる入れ子状の挽物はロシアに渡り、マトリョーシカの原型になったとも言われています。

日本の一部地域で生まれた民芸品が海外に渡って世界的なお土産物になったと思うとワクワクしますよね。

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3、思い出の寄木細工**

実は箱根は個人的に思い出深いところで、

学生時代免許取りたてで始めて長距離のドライブをしたところでした。

男五人でコンパクトカーに乗っていたので、熱気で窓が曇っていたのにエアコンの使い方もよくわからず、ワーワー言いながら向かったことを思い出しました。

何を見たかは15年以上前なのでうろ覚えですが、寄木細工のお土産を買ったことを覚えています。

民芸品というのは素朴でありながら、地域色が豊かですので注目してみると面白いと思いますよ。

例えばミヤギで言うとコケシが有名ですが、個人的には松川ダルマという青いダルマがおススメです。

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