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電柱の影

このお話は、怪談のDVDを聴いていて面白かったので
ご紹介したいと思います。

`とうもろこしの会雑務役のIさんが語っていたお話です。`

法子さんという女性がいつものようにクラブから帰る帰り道での出来事。
時間は、もう朝日が出てこようとしている時間でした。
その日は、近道をして帰ろうと思って、大通りから帰るのをやめて、方々、
塀に囲まれた狭い道を通り、近道で家路についていた。
その道、一定の間隔で立っているがその1つの電柱に人陰があるのが見えて
法子さんは、「嫌だな」と思ったそうです。
法子さんは、この街に昔から住んでいて、その街に
全身タイツを着た痴漢がいるというのを思い出し、それだったら
嫌だなと思い、おそるおそる近づくと「あっ大丈夫だ。」と思った。
それは、首から上だけの男の影だった。
法子さんは昔から、そういうものが視える人で慣れていたので危害を加えてこないものには、視えたとしても無視をしてやり過ごしていました。
なのでその首の男の方を見ないように通り過ぎていこうとした。
でも視線を感じた。法子さんの歩くスピードに合わせ首だけの男が
グッと自分の方を向いていた。
知らない間に小走りになっていたが、家に着き、
自分の部屋でテレビを観て落ち着こうと思い、チャンネルをバラエティ番組に変えて気持ちをまぎらわすことにした。
調度、法子さんが大好きな小島よしおさんが出ていて小島さんがギャグを
やると面白くて法子さんは、「フフッ」という笑い声が聞こえた。
「あの男の人、ついてきちゃったんだ」と思うと、怖くなり、
自分の布団にもくりこんで、
「私はあなたを助けられないですから帰ってください。」と
念じていると、声が近づいて来て、法子さんのかぶっている布団に顔だけの
感触がグググッと押しつけられてきた。
「私は、何もしてあげられないから帰って下さい。」
と念じると その首だけの男が一言。
「そんなの関係ねぇ」と言ったそうです。


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