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『The sea of the clouds 』を歌う

こんにちはtomonです。

遂に『The sea of the clouds 』の coverが公開となりました。

9月の末にコロナに感染してしまってから、咳が長く続き、声が上手く出せなかったので、久々にフルサイズのcoverを公開できた事、自分としてはとても感動しています。

今もまだ喉が慢性的に痛むので後遺症なのかなと思う事もありますが、今年も月1ペースではcoverを公開していけたらいいなと思っていますので、どうか宜しくお願いします。


Coverをすると言う事


歌いたいと思えることがまず幸せで
歌いたい楽曲に出会えることも幸せ
そして こうして歌えることが
何よりも至福だと思うのです。


ツインボーカル曲の難しさ


今回のレコーディングの全容は、
Main Vocalが2track、Main chorusが4track。Subchorusが2track。合計8track。

と相変わらず、結構多めのtrack数なのですが、各トラックいつもに比べると歌う量としては、結構少ない方でもありました。

それならレコーディングも楽だったのでは?なんて思われてしまいそうですが、とても苦労した面が大きい作品でした。

そうです。
この楽曲は鏡音リンさん、鏡音レンさんが歌うツインボーカル曲!
ツインボーカルを一人二役で歌うのは楽しいのですが、歌い分けが難しいのです。

実はtomon。
これまでも結構ツインボーカルは歌ってきていて、『Midsummer Naughty』 『神の宿木』『こえて、紅』と、3作品、歌わせて頂きました。

こちらのリストから聴くことができます。
▼coverしたツインボーカル▼


それぞれ、どの曲も難しく、『神の宿木』に関しては、男性vocalが高めのメロディラインを歌っていて、女性vocalの方が低いメロディラインを歌うと言う、歌い手泣かせな曲。なのですが、作詞はcataclecoさんとういう才能溢れる方で、神聖な世界が広がる歌詞も大好きです。

また『こえて、紅』では、ラテンの情熱を感じるギターと最高なベースがかっこいい、どこまでも魅力的な曲。女性vocal×女性vocal の歌い分けと言う事で、キャラクター作りから始め、その難しさを痛感していました。

そして今回で4曲目のツインボーカル曲
『The sea of the clouds』
ため息がでるほど美しい伴奏に包まれている世界なのですが、The sea of the clouds のどこが難しいのか?

もともとこの曲は、自分にはキーは少し低めな部分もあり、高低での差がつけにくいというのもありました。 ですが1番頭を悩ませたのは”男性vocalが聴かせどころである”という事でした。

男性vocalが聴かせどころというと、実は先にもお話した”神の宿木”もそうなのですが、ただ今思えば、勢いで乗りきれる部分があったのと、ある程度伴奏に身を隠す事ができたので、助けられていたような気がしているのです。

ところが、このThe sea of the clouds 
伴奏がシンプルでBPMも緩やかなので紛れることができないのです。
正面から隠れる場所なく男性パートを歌いあげる緊張感。そしてハモリまでしっかりその色分けを出していく必要があったのはとても難しい点でした。



大切に歌う


coverさせて頂く曲はどんな曲も大切に歌わせて貰うのがtomonの信条でもあります。

なぜならその楽曲は、制作者様が大切に生み出された作品だからです。その楽曲が完成するまでに沢山悩んだり、拘ってきた事や、大切にしている思いだったり、演奏だったり、沢山の愛情が注がれていると思うのです。

それを身近で知っているからこそ、その思いや、楽曲のイメージ。作曲者様の思い描く世界感を読み解いて、その世界を大切に自分なりに描きたいと思うのです。

大切に歌いましたと言うのは簡単です。
それは具体的に何か?となるわけですが…
個人的には、曲の世界観を紐解き、歌唱の技術を活かしつつ、表現を模索していく事ではないかなと思っています。それが”想いを込めて歌う”ことに繋がっていくのではないかなぁと感じています。

きっと想いは込めようとして込めると偽物になる気がしていて、歌の上に自然に湧く感情をそのまま歌声にのせていきたいなと思うのです。

そしてきっと歌が上手い方は思い通りに歌えてしまうのが常だと思うので、それができず何百回もテイクをとっていく自分は、歌が下手な証拠だと思っています。

ですが、「これでいっか」みたいな気持ちでOKを出すことは決してありません。楽曲の世界に合った歌が歌えた時は「これだ」って思えるのです。

そう思えるまで歌い込んでいきます。

なので、テイクが何百回という表現は決して話を盛っている訳ではありません。各所合わせると悠にそうなります。

もちろん喉や体調の事もあり、物理的に難しい時もあります。その時は、その時の自分の最大限を出せれば良いと思うようにしています。
万全ならもっとと思う気持ちは残るのですが、愛は変わりません。

この作品の良さを、新しく引き出せたなら、それはとても嬉しいし、もっと広めることができたらと思うのです。

ただ1つ誤解ないように伝えておきたいこと
この考え方が決して 正しい訳ではないということ

音楽は音を楽しむと書く程、それが真髄だと思っています。
何よりも楽しむことが、音楽の大切な部分であることに違いはないのです。

これは最近よく言われる音楽理論の話と被るのですが、歌が生まれた時に技術などなかった筈だし、音楽が生まれた時に理論なんてきっとなかった筈なのです。

沢山の素晴らしい楽曲や歌が生まれていく中で、それがどうして自分たちの心を魅了していくのか、人はそれを知りたかったのではないかと思うのです。

そこで紐解いて研究した結果、面白いように同じような規則性だったり法則を見つけることができた。その発見を、形にしたものが理論であり、共有することで、より素晴らしい音楽制作の活性化に繋げるための物の1つではないのかなと想像するのです。

決してこうあるべきだとか、こうでなければならないと言うものでもないと個人的には感じていて、知っていれば魔法の書を手にしたようなものなのだと考えています。
だから、もしその理論に反していても、それが素晴らしい曲だと感じるなら、それは新しい進化で新しい理論の扉をその方は開いたのではないかと思ったりするのです。

人類も文化も科学も日進月歩です。
理論だって進化して不思議ではない気がします。

小生意気に少し話が反れたようにも思いますが、
歌の技術や作詞にも同じ事が言えるのではないかなという事を少しだけ伝えたかったのです。


物語に寄り添って


自分が作詞する世界には大体Back Storyがあり、リンさんとレンさんはそれぞれ物語の主人公でもあります。今回はそれぞれの役作りから入ることにしました。

実は色々迷ってはいたのですが、イラストをご担当下さった犬飼さんのFANBOXの中で、少しレンさんの解釈をお話下さっていて、それを拝見してレンさんのイメージはそこからお歌を組んでいきました。

ここから先は、物語の解釈について触れています。

作品の解釈はリスナー様の分だけストーリ―があると考えている部分なので、ここから先知りたくない方はご留意ください。

この楽曲での二人の物語は前回のnoteで記載していますが、思いを寄せ合いながらも会えない二人です。会いたい思いは募りますが、会うことはきっとそう簡単に叶うことではないのです。

でもリンさんの役は、前向きに徹しています。
必ず会えると信じていて、悲しみを前に出しません。2人の未来を取り戻すのにどんな無理難題を押し付けられようと、自分は越えてみせると思っているのです。

一方、レンさんは違います。
自分の犯した過ちを悔いつつも、どうすれば正しかったのか答えを探したままです。自分の犯した罪を思えば、もう会う事さえも許されないなら、この想いと共にそれさえも受け入れようとしています。

でも、2サビの「全てあなたに見せたいもの」の部分に来る時、彼に変化が現れるのです。「あなたに」と口にしてから、抑え込んでいた気持ちはあふれ出します。やっぱりこのまま会えないままでは終わらせたくない。という思いが芽生えていくのです。

と、そんな感じで、本当変な空想の世界が、tomonの歌う上で歌詞を読み解いて描いていくと言う作業になります。

実はリンさんのお歌の解釈にはもう一つ別バージョンがあって、歌いながらもどちらの方向性にするのか凄く迷っていました。

何度も歌い直しては聴き込んで、どうするのかグルグル思考を巡らせていました。でも最終的に思い立ち、今の方向性に決めましたが、今でもその違うバージョンでも良かったのかなと自問しています。



7:24/犬飼陽さんのFANBOXはこちら
The sea of the cloudsの動画制作についてのイラストを犬飼さんのお話をを交えて公開されています。今回レンさんの読み解きのヒントを下さった犬飼さん。tomonへのお言葉もたくさんあってとっても嬉しい気持ちになりました。ここでお礼をお伝えしたいと思います。犬飼さんありがとうございました。



My favorite


久しぶりのフルサイズのCover作品に本当に緊張しています。
なぜならいつも以上に。

声が全快していないところに加えて
本家様とはすこし違うイメージで歌ったのと
もう一つの解釈で歌う方が合っていたのではないかと、今でも思うからかもしれません。

MIXは伊月さんが担当して下さっているのですが、
tomonの希望をたくさん叶えて下さいました。

本当に感謝が止まりません。

伊月さんのMIXは自分の声のいい部分を最大限に引き出して下さるので大好きです。ご自身もとてもお歌がお上手なので、歌い手としての感覚や気持ちを理解してMIXして下さるのです。

大切に歌った、息使いや歌い回しをMIXでも大切にして下さるのが本当に有難くて、何より本家様、直々なので自分が生ボカロになった気持ちになるのも、本当に嬉しかったりします。

そんな今回、本家様と大きく違うのは、Cメロではないでしょうか。

本家様とはまた違った世界観で楽しんでもらえたらと思って、伊月さんと2人で色々試行錯誤した部分でもあるのですが、伊月さんのファインプレーで神秘的な空間を出せたのではないかなと思っています。

伊月さん、本当にありがとうございました…!

あとがき…結びに


ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます!
The sea of the clouds 、Coverの世界について綴ってみました。
楽しんで貰えてたらいいなと思いつつ…。

来月はいよいよボカコレですね!
tomonは、歌コレで歌う歌を探す旅でもあります。

胸がときめく楽曲に出会えることを楽しみにしています。

そして何よりお伝えしたいこと

歌い手である自分は、ボカロPさんのご厚意があって成り立っていると思っていて、歌わせて頂ける事に本当に感謝しています。

本当に本当にいつも温かく優しいみんなへ感謝でいっぱいです。
ありったけで伝えられたらいいなと思っています。

どうかここからも新しいご縁に恵まれますように。

ここでご紹介した楽曲の本家様を最後にご紹介しています。是非名曲ばかりですので覗いてみてくださいね。

では、また…。

次のnoteで会いましょう!

▼本家様の動画はこちら▼
『The sea of the clouds 』伊月えん様

『Midsummer Naughty』伊月えん様

『神の宿木』伊月えん様


『こえて、紅』じゅんぴょん様

Catacleco様の作詞の宝箱☆︎



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