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遊びを通して育てる共同注意 Part1


はじめに

みなさんお久しぶりです。とととです。
先日、Xで以下のポストをしたところ思ったよりも反響があったため、今回は遊びを通して育てる共同注意について書いてみたいと思います。

ちなみに共同注意の説明はこちらに書いております。

#1 共同注意は社会的学習における重要な基盤

 共同注意とは、相手と対象物を分かち合う目的で行われる行動のことです。つまり目的は物や活動の要求ではなく、相手からの注目という極めて社会的なものなのです。
 典型的な発達では9ヶ月ごろから共同注意行動が見られるようになりますが自閉症のあるお子さんの場合、社会性に特性のあるお子さんは、なかなか発現しづらい行動です。
 お子さんが物事を知るためには他者から学習することが必要不可欠です。共同注意は相手がなにを伝えようとしているのか理解する力と自分から伝えようとする表出する力の双方を伸ばし、お子さんが他者から物事を学ぶ上で重要な基盤となります。そのため、乳幼児期から共同注意を育てていくことは学習速度ひいては発達においてとても大切なことなのです。

#2 共同注意の前に・・・

共同注意が学習を進めていく上で基盤となると説明しましたが、社会性に特性のあるお子さんは「見る」「指差し」「物の提示」など自然には共同注意を示す行動をすることが難しいことが多いです。ではどうしたら良いのか。手がかりになるのは、自閉症のあるお子さんを対象としたプログラムです。
 早期支援プログラム「JASPER」では、共同注意とともにエンゲージメントも重視しています。エンゲージメントは「関わり」と訳され、他者や物とのどの程度関わっているかを評価します。

 上記の画像は、JASPERにおけるエンゲージメントの段階です。「関わり無し」「見る」「人とのみ関わる」「物とのみ関わる」「サポートを受けながら共同で関わる」「共同で関わる」という6段階に分かれています。社会性に特性のあるお子さんの場合、3つ目の段階「Person Engaged」物を介さず他者と遊ぶことも難しいことがよくあります。その場合、玩具を使って人と一緒に遊ぶことが難しいことは当然のことなのかもしれません。
 私が自閉症のあるお子さんと遊ぶ際には、このエンゲージメントの評価から始めます。もし、玩具を用いて共有して遊ぶことが難しいときには手遊び歌やくすぐり、高い高いなど物を介さない遊びを通して大人と一緒に遊ぶことに対してポジティブな経験を積み重ねることを導入として行ったりもします。(こういった遊びにも発展させるテクニックもありますが今回は割愛します)

おわりに

今回は共同注意が学習において重要な基盤であること、そもそも共同注意に目を向ける前に「関わり」を評価することについて書きました。次回はやっと「遊びを通して育てる共同注意」という本題に入っていけるかと思います。毎度のことですが、勢いで書いているので読みづらい部分、誤字脱字などもあるかと思います。論文等で根拠を示しているわけでもありませんので日記程度に思って読んでいただければと思います。どうもありがとうございました。

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