見出し画像

私に ソフィアローレンを

お店の前を通る度に、
入ってみたいと思いはするものの
花を求める用事もなくて
毎回憧れの吐息と共に、通り過ぎる…
これをもう、何回 何十回繰り返したことか。
その憧れの花屋さんに行くと言う友達にくっついて
初めて足を踏み入れました。

ガラスケースの中には
見たこともない花、
聞いたこともない名前の植物が
鎮座ましましています。

友達はお店のかたと懇意なようで
話に花が咲いてます。
私も、初めましてながら
おしゃべりに加えていただいてました。
しばらくして、視線というか気配を
ガラスケースの中から感じました。
気のせいとは思うのですが
おしゃべりに興じていても
なぜか視線が つい とそちらに流れます。

思い切って向けた視線の先には
ソフィアローレンがいました。
往年の女優の名を冠した
ピンク色のバラ。
「ソフィアローレン?」
思わず呟くと
「そう!
薔薇にも色々な名前があるのよ
インクもそうでしょう?」
ちょうど万年筆インクも
さまざまな名前が付けられている
という話をしたところでした。

「1本だけでも、買えますか?」
気がつけば、そう尋ねていました。
ピンク色は好きな色でもなければ
好んで選ぶ色でもないのに。
その日は記念日でもないし
薔薇を買う理由もないのに。
薔薇に
ソフィアローレンに
魅入られたとしか思えません。

半世紀以上生きてきて
自分のために薔薇を買うという
初めての経験は
たいへん豊かな心持ちでございました。

📝つむぎの ひとこと ふたこと✒️
今はクリックひとつで、
簡単に物が買えてしまう。
でも、画像を見ただけで、
バラを1輪買うことは、私はない。
実店舗で出会ったからこそだ。

この先バラを買うときに、
ソフィアローレンを思い出すに違いない。
そしてこのワクワク感を
また味わいたくなるのだ。

毎月通っているネイルサロンは、
すぐ近く。
華やかになった指で
花を携えて帰宅するのも素敵かも。
新たな沼が発生する、かな。

Kobe INK物語 須磨離宮ローズ ✖️ デルタ ロミオ&ジュリエット フォーエバー