鬼
私は自分の眼底に鬼火を見る。
それは、ささいな出来事で轟々と怪しく燃え 私を弱らせる。戦い。失い。差別に呪い、権力に憎悪。金に暗闇。それらは瞬時に他者への恨めしさに変わり無視できない 悪質なちからとなる。
私は鬼となり、苛立ちのすべてを込めて 心を黒く染め続ける。
その怪しい火は、私を守る鋼の剣にはならない。勇気にも 道しるべにもならない。身体を持つ時も、肉腐り骨になろうとも、逃れる事も 手放すことも出来ない。私の根。
青は青を呼び、美しい列をなす。人の魂は罪。青い空と青い海はつながり、それを眺めることしか出来ないのが個。繰り返しどんな遺伝子が組合されようと新たな命には必ず あの小さな火が灯る。記憶や理由を知らされる事なく
静かに灯る宿命の火。私は青。
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