翳り

あなたは宙に浮いているようですね。と言われました。実際に浮いてはいないけれど、私はなぜか褒められたような気持ちになり、そういう風に見られるのも素敵、と思いました。

体に、心に、貧しさという烙印がある私。いまだに焼き消す火を自分に放てないでいる私。時々死にたくなる程に今を逃れたいなら、身軽に宙を回転するくらいが楽しい。魂など放り投げて何かに洗脳されたい。冷静に考える自分など捨てて楽になりたい。それならば、すべてを人事のように横切り、ふらふらと漂う方が楽しい。

ヨソハウラメシ。カナシカナシ。見るな。聞くな。

タスケテタスケテ。来るな。寄るな。タスケテタスケテ。

誰の手もとらず今日も悪夢へと落ちる。

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