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モチベーションの話。

これからの社会では、人のリソースがこれまで以上に必要になってきます。Webなどを見てもモチベーションが上がらない従業員に関する内容や、上げるためのコツのようなものを見かけますが、どれもあまりしっくりこないので、モチベーションについて少し考えてみました。

モチベーションとは?

よく聞く言葉ですが、日本語にすると「動機付け」という人と「やる気」という人もいます。「意欲」なんて言うこともあります。Wikiや辞書を調べてもなかなか判然としません。ですが、モチベーションという言葉の定義をしておかないと話が進められないので、なんとかDefineしないといけません。

巷でよく横文字不要説的なものを見かけます。横文字ばっかり使う会社はダメだ的なアレです。でも、横文字でないと表現できなかったりする言葉は確かに存在します。
モチベーションもその一つではないでしょうか。やる気と言われると違う気もするし、動機付けと言われるとこれもまた違う気がする。
「モチベーションが高い」とは言いますが、やる気が高いや動機付けが高いとは言わないです。「意欲」であれば、「高い」につながりますので「意欲」がかなり近しいのでしょうが、もう少し足りないピースがありそうです。
やはりモチベーションはMotivationとするのが、私にはしっくりきます。

あえて日本語にするのであれば、

「通常より少しだけがんばってみようと思う気持ち」

こういった感じでしょうか。

この通常より少しだけがんばるというところがミソで、ただの「意欲」だけでは説明しきれないニュアンスを含んでいるのです。

モチベーションが低い状態は本当にダメなのか

先ほどの定義でいうとダメではありません。なぜなら、通常通りの仕事はしているからです。逆に高いモチベーションを常に求める会社は常に全力以上で走り続けることを従業員に強いているわけです。

モチベーションが高い状態を維持していると肉体的にも精神的にも疲労しますので、なるべくデイリーワークは低モチベで、タスク的な業務は高モチベで行うのが理想的でしょう。

ですが、モチベーションはうまくコントロールできません。コントロールできるどころか、モチベーションは自らの中からわき起こせるものではないのではないというのが、今のところの私の考えです。むりやりにひねり出せるものではないのです。

ここまでをまとめると、「何かのために通常より少しだけがんばってみようと思う気持ち」がモチベーションな気がしてきました。

そして「何かのために」という部分がいわゆる「動機付け」ということなんでしょう。

動機付けは様々

私は我が社で5Sを進めています。その中で全従業員に5Sを浸透させるために下記のように動機付けを分類しました。あくまで個人的な主張です。

動機付け

自発型:自らの意思や考えでで目標やゴールをつくれるため、特に干渉は不要なリーダータイプ。社会貢献や成功のために動く。
目標達成型:目標やゴールをリーダーが明示すれば、それに向かって自律的に進むことができる。未来のために動く。
課題達成型:目標に対する道筋を立ててあげて、細かい課題として与えてあげることで自律的に進むことができる。組織のために動く。
誘因型:見返りがあれば進むことができる集団。自身の利益のために動く。
外圧型:プレッシャーがないと動くことができない人々。指摘されたくないら動く。

経験上から、それぞれの構成比率は上から、5%:5%:10%:30%:50%
ほどではないかと思っています。

以前は、もっと上位の構成比率が高いかなとも考えていたのですが、今はそうは考えていません。
私は、昔は性善説よりの考えだったのですが、今は人間の本質について性弱説であるという立場です。性善説や性悪説というのは聞いた事があるかと思いますが、性弱説というのはあまり聞いた事がない人も多いかと思います。これは、流されやすく自己保身に走ってしまうのが人間の本質であるという考え方です。これまでの自信の経験や周囲の行動からほぼこれは普遍的な真実ではないかと考えています。

上位3つの類型は、自分ではない何かのために動きます。
対して下位の2つは自分のために動きます。

ここで意識の格差があります。
上位20%の人がモチベーションがアガルワァ⤴と感じていることは、大多数の人には響かないのです。ということは画一的なモチベーションアップ的な研修や制度などはあまり費用対効果は高くないと考えられます。

モチベーションマネジメント

それよりは、メンバーがどういった類型を普段から観察し、適切な動機付けを与えることでメンバーのモチベーションを上げ下げしていくのが、組織として長期的に成果を収め続けるためには効果的です。
ずっと上がっている状態では疲弊してしまうので、意図的に下げることも大事です。
常にメンバーのモチベーションの高低に気を配り、状況に応じた水準に落ち着けて上げる必要があります。

まとめると、モチベーションは「何かのために通常より少しだけがんばってみようと思う気持ち」で、モチベーションマネジメントは「適切なタイミングで各人に適切な動機付けを与えて、通常より少しだけがんばってもらう時期を操作する」ということになりそうです。
常に高いモチベーションを求めるのは本当にレベルの高い人の集団でしか不可能です。
もしくは従業員は疲弊してしまいます。
私が勤めているような普通の中小企業では、全員のモチベーションを高く保つのは不可能だという前提で取り組む必要がありそうです。

よろしければサポートのほど、よろしくお願いいたします。