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『タイムトラベルタウン』という夢住まい


以前、本気で考えたことがある。

どこに住むか?


都会、温泉地、リゾート、沿岸、山岳、離島、などなど。

馴染んだ土地を離れて住むことは、どれも良し悪しがあり、100%満足なんてことはありえない。

たとえ、多くの選択地から決めたとしても、それは不自由な選択条件の中から最上の土地を選び取っているのだろう。

それでも選ぶならと考え、迷いに迷い、少し偏屈的になっていた当時の私は、ひとつ極論を導き出していた。


「所在地IDとしてのユニットハウスに郵便ポスト、あとはキャンピングカーと駐車場があればいいのでは?」

いや、もう駐車敷地とポストだけで良くないか?
とも思ったが、世の中には所在信用みたいなモノがあり、何があっても地に足をつけられる場所は確保しておきたい、という結論に至った。


じゃあ、どうするか、原点に戻り、少し視点を変えたとき、興味深いルールに目が留まった。


日本には景観法というものがある。

これは、ざっくり言えば、綺麗な景色に異物を入れてはいけないルールだ。
馴染みあるのは京都の町風景だろう。


似たようなルールは海外でも存在している。
歴史的な町風景を守るために、建物の建築基準や配色規制、電信柱を設置しないなどだ。

日本の内と外、そんなふたつのルールをぼーと考えていたら、面白い場所があることに気づいた。

志摩スペイン村(三重県)や東京ドイツ村(千葉県)だ。
(他にも多数あるが、わかりやすい名前を選んでみた)


日本の中に世界の村がある。

きっと初めに考えた人はすごい発想力なのだろう。

ならば、その才覚を少しお借りして、私の住みたい場所を決めてみた。


平安時代の住まいだ。(なお貴族屋敷とする)

決めた理由はなんとなくだが、『枕草子』の情景に触れてみたいと思った。


春夏秋冬。特に冬。

雪降る中、風通しのいい建物と火鉢の熱。

正直、達磨ストーブを好む私でも凍え震える確信がある。

だが、あんなくっそ寒い中、染み入るほどにエモくなれるのだろうか、と思う。

最悪寒すぎたら、いたずら心出して、平安建築の見えないとことで魔改造して、床暖あたたかいな〜とかやってみたら面白そうだ。


そして、そんな平安の町(現代Ver2.0)に本気ですみたい人だけが暮らす町。


いわば、タイムトラベルタウンというべきか。

人気がありそうなのは、平安、江戸、明治だろうか?
(次点で昭和タウンとか入るかも)

まあ、江戸の長屋なんて耐震、耐火、建築基準法に引っかかりまくるかもしれないが、今の技術を駆使すればオールクリアでイケるんじゃないだろうか。


そして景観法として、外出時は時代衣装着用ルールとか決めて、時代の『粋と華』を肴に楽しむ住まい環境が私には好ましいと思っている。


と、これはあくまで夢物語だが、どうせ、どこでも住めるという夢を語るなら壮大に語ってみた。

そんな、未来へ加速し続け、SFハイエンドタウンに向かう世界の住み方の中に、あえてローギアに設定した世界が良いと思う自分がいる。


例えるなら、終着駅に向かう銀河鉄道999を途中下車して自分に適した星で永住するのも悪くないな、と考える自分が年とったことを自覚しつつ、今日も今日とて、今の住処で息をつくのだった。


#どこでも住めるとしたら

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