〈ポエジーの館〉ぼくはこの時 初めて知った
萩尾望都「ゴールデンライラック」より
ビリーのモノローグです。
このモノローグの次の場面がラストシーンなので、かなり終盤の言葉です。
この場面の直前のヴィーの涙も、とてもうつくしい。。
読み返して気づいたのですが、お話のほんとにいちばん最初で、ヴィーはビリーと出会った3歳の頃の記憶を語ります。
自分のことを生まれて初めてレディーとして扱ってくれたビリー…
そしてその嬉しさのあまり、父がくれたエジプトのお土産のラクダのぬいぐるみに「ビリー」と名付けた、というのです。
なぜラクダなのか、
ヴィーが言うには ラクダのこぶには水が入っているから 砂漠をどれだけあるいても、何日も水を飲まなくても平気なのだ…と。
自分はずっと↑のビリーの場面が好きでしたが、この冒頭を読み返して、いちばん初めにビリーが愛をヴィーに与えたんだ、と気づきました。
ビリーが与えた愛を糧に、ヴィーは『砂漠をどれだけ歩いても』頑張ってこられたのだな… と、そのあとのいろんな場面を思い返しながら思いました。
愛を渡して、愛を受け取る、すばらしい作品です。
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