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「萩尾望都×小池修一郎(宝塚歌劇団)」対談イベント

なんとなんと、抽選に応募してみたら当選したので大阪遠征してきました😭
ついに萩尾望都先生のお姿を拝見することができました… 神…

「萩尾望都×小池修一郎(宝塚歌劇団)」対談イベント
@萩尾望都SF原画展(大阪会場)
展示は近鉄百貨店で開催され、この対談イベントはあべのハルカスの貸会議室で行われました。

会議室のフロアからの景色
天気もちました〜

すっごいたのしい話ばかりでした!
あいまいな記憶をもとにおもしろかったことを書き残します~

萩尾先生はテレビで見たままのイメージ通りの方でしたが直接拝見すると可憐さがましましで、なんとかわいらしい方なんだ…!本当にこのような人がこの世にいるんだ…!と思いました。

小池修一郎先生はご自身の幼少期のマンガ読書環境をとてもおもしろく語って聞かせてくださり、帝国ホテルでの萩尾先生との初対面エピソードも、「キュルトヘンの帽子」シナリオのコピーが萩尾先生から送られてきた…というエピソードも本当におもしろかった…!
私はほんとーに幼少期のころ一瞬ですが西宮市に住んでいたことがあり、宝塚大劇場も親に連れられて行ったことがあります。でも宝塚大劇場で観た演目は思い出せない……「エリザベート」は東京で観た気がする……
途中、萩尾先生が挙げられた、宝塚男役俳優の方々が井上芳雄さんに男役の立ち居振る舞いを指南していた番組「グリーン&ブラックス」、観てみたいなあと思いました。

「キュルトヘンの帽子」というのは1985年、子供向けミュージカルの脚本を萩尾先生が担当した作品だそうで、詳細はしっかり萩尾望都作品目録という神サイトに掲載されてありましたのでご参照ください。(「キュルトヘンの帽子」からは作品詳細ページへ、「萩尾望都作品目録」からはトップページへリンク貼ってます)
小池先生によると萩尾先生の書いたシナリオは、クロッキーのスケッチブックのような大きめの紙に描かれた、言葉と絵がいろいろに交じり合ったイメージの集合体のようなものだったそうです。すごい…!萩尾先生の頭の中そのもののよう!
小池先生は、震災の時引き上げてきた荷物の中にそのいただいたシナリオがあるはずと仰られていて、萩尾先生はミュージカルをやった際に渡した原稿は結局返ってこなかったので見つけたらぜひ教えてくださいと仰っていました。すごいやりとりだ…!!

この話の流れでもうひとつ「なんだそれは?!」と思ったのは、
『文学座の小林裕さんと楳図かずおさんで本多劇場で、少女漫画家たち多数出演の演劇を上演した』…という話。小池修一郎先生は「それ観に行きましたよ!」ととても詳しくキャストをご紹介くださり(すごい記憶力だ…!)、萩尾先生がエリザベス女王、美内すずえ先生がピーターパン、木原敏江先生が阿部定…とめちゃくちゃおもしろそうなワードが飛び出てきて、帰りの電車で急いで耳にした言葉をメモし、改めて検索して調べたところやはり神サイト・萩尾望都作品目録に詳細が掲載してありました…!(一滴の漏れもない仕事ぶり…)
こちらです! → 「マダム鶴子の優雅な正月」(1984)
楳図かずお先生がマダム鶴子を演じ、上記ページの説明によると自転車に乗って登場するらしいです。なんなんだよーーおもしろすぎるよーーー🌋
しかもいがらしゆみこ先生演じた女性活動家って伊藤野枝だったんだ。最近NHKで吉高由里子でドラマやってましたよね。「風よあらしよ」ですね。


このように、ちょっとおもしろさが飽和状態のトークで、
小池先生が「私文庫きらいで」というと萩尾先生が「えっ文庫お嫌いなんですか」と返し、いやちょっとすごく描き込まれているのに文庫になると絵もちまっとして手書き文字も小さくなっちゃうので…と、今回でた「百億の昼と千億の夜 完全版」がいかに素晴らしいかを語り返す小池先生…というようなやりとりもとてもおもしろかったですし、
小池先生一押しの「あぶない丘の家」の続きを読みたい!という話もすごくよかったです。自分も一回だけ読んだなーと思うのですが、記憶がおぼろげでたしかにかなり不思議な話だったかも。私も続きが読みたいです!

萩尾先生の描く、ふつうの人たちの登場する不思議な話ってやっぱりおもしろいですよね。
わたしも「ここではない★どこか」シリーズがすごくすきで、萩尾望都SF原画展の東京会場(アーツ千代田3331)のメッセージブックに、『続き描いてください』ってお願いしました。。

あと、宝塚版「ポーの一族」上演にこぎつけた話もすごくおもしろかったです。やっぱりアイデアと舞台とキャストのチームが揃っていないと、叶わないものなんだなあとしみじみ思いました。上演されたこと自体が、観客も出演者も製作者も、みんながその時代に居合わせた奇跡なんだなあと思います。

また、男性キャストも交えて再演したことについてもたくさんお話を聞け、少年を宝塚男役が演じること、男性の役者が演じることの違い、
はたまた、女性が老婆を演じること、女性が男性を演じること、歌舞伎のように男性が女性を演じること……もともと役者が持っている身体的な属性を超えて役を演じることについても話のなかで触れられ、
小池先生が仰っていた、大人の男性であってもアランの性質をつかみとっていってそこを演じていくということをやっていけば、身体性や見た目を超えたものがそこに生まれるんだな、とお話を聞いていて思いました。

ピーターパンはだいたいどこの国でも女性が演じる、と小池先生が話の中で例として挙げていましたが、いつかフック船長を貫禄たっぷりのベテラン女優が演じるようになってもおもしろいのにな、と考えたりしました。その役のメンタリティを表現できれば、役者の身体的特徴って乗り越えられるんじゃないかなと思うようになりました。

また、萩尾先生が宝塚男役の魅力を語っていたのを聴いて、わたしも久しぶりに宝塚を観たくなりました…。まずは動画で一路真輝さんを観たいです。。


本日は萩尾望都SF原画展最終日ですね。。
吉祥寺に観に行った2016年を思い返すと、この数年で自分の個人的な生活も、世の中も、大きく変わってしまい、こんなことってあるんだなあとしみじみ思いますが、だからこそこういうお話や創作に人は励まされるのだと思います。
萩尾先生は、日常だけでは生きていけませんから!と力強く仰っていて、ついていきます…!って思いました。


ちなみにこの対談イベントの定員は400名(当日、座席はほぼ埋まっていました)でした。すごい…。萩尾先生は武道館をいっぱいにすることができるのではないでしょうか。
ほんとうは山梨会場でトークイベント参加したかったんですけど行けなかった後悔があったので、今回参加できてとてもよかったし、もう思い残すことはありません!でもまたいつかふたたびお会いできたらいいなーと思っています。

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