なにわ男子のデビューについて思うこと(マシュマロ回答分②)
※まず、こういう話題に関しては完全に私なりの解釈でしか話せないので、見当違いなことを言っている場合もあると思いますが、その辺はご了承ください。
デビューって、ジャニーズ事務所における新商品の発売ですよね。
新商品を開発するのに、明らかに人気でなさそうな、売れさなそうな商品案はまず社内のコンペでボツにされます。そうして、より良い商品案だけが最終選考まで残り、新商品として発売される。
それはきっとジャニーズも一緒で、"ジャニーズJr."という内輪の世界だけではなく、非ファンが大多数を占める世間一般でも広く人気を得られる見込み、その時に1番"売れる見込み"があると判断されたグループ(あるいは個人)が数多のJr.の中から選び抜かれ、デビューするのだと思います。
さて、
私はアイドルのデビューにおいて「顔」と「若さ」と「華」の3つが重要だと考えています。
勿論この3つだけがデビューの判断材料ではありません。歌やダンスが上手いとか、トークが上手いとか、それも大切です。でも、それらは結局、"頑張れば後天的に得られる要素"なんですよね。
一方、顔と若さと華はどう頑張っても後からは手に入らない。
顔の根本は整形しなければ変えられないし(とはいえハイリスク&限界がある)、若さはあっという間に失われるし、華は努力では絶対に身に付かない天性。
すべて、限られた人間にしか与えられないレア要素ということです。
だからこそ、この3つが揃っている瞬間、いわば彼らがアイドルとしての旬を迎えるタイミングでデビューするのが理想だと私は思っています。
そのことを念頭に置いて次のデビューを考えた時、
やはり、なにわ男子が次のデビューに相応しいと思います。
幸運なことに、今のなにわ男子には「顔」「若さ」「華」の三要素が揃っている上にJr.内ではトップと言っても過言ではない数字と人気も持ち合わせており、十分デビューに値するグループだと考えられるからです。
少し視点を変えて最近のデビュー組を見てみても、実力派のWEST(関西)→正統派のキンプリ(東京)→実力派のスノスト(東京)と来て、正統派のなにわ男子(関西)が続く流れはいたって自然。関ジュのデビュー間隔的にもそろそろ...という頃合いでもあるでしょう。
なにわ男子の背後に見え隠れしているJstormの影も、デビューの匂いを強く感じさせるものです。
したがって、
グループの実力・実績的にも、最近のデビューの流れ的にも、次のデビューはなにわ男子が順当である。というのが現時点での私の見解です。
しかし、昨今のツイッターを見ていると「なにわは顔だけで実力(ここで言われている実力は恐らく歌やダンス等のスキルを指す)がないからデビューしても人気出ない」みたいな意見が結構ありますよね。
確かにJr.随一のパフォーマンス集団であるトラジャに比べたら歌ダンスのレベルは劣りますし、関ジュの個性とも言えるお笑いスキルも関西の同輩であるAぇに比べれば未熟。
これは彼らが今後克服しなければならないウィークポイントには間違いないですが....
ハッキリ言って、アイドルの本質はそこではないでしょう。
アイドルに対する「顔だけだからダメ」みたいな意見は正直、理解に苦しみます。
だってアイドルはただ「アイドル」なのであって、ミュージシャンでも、ダンサーでも、芸人でもないです。
アイドルは、アイドルでしかない。
SMAPの登場によりアイドルのマルチ化が起きたことで、今日のアイドルは歌やダンスだけではなく、バラエティ、お芝居、アート、司会業など多種多様なジャンルで幅広く活躍するようになりました。
しかし、どれだけ活躍の幅が広がろうとも、アイドルビジネスにおける商品は常にアイドル自身であり、そのルックスとキャラクター性がアイドルの最たる魅力なことには変わりません。
〈前略〉歌やダンスの技術が低くても、なんらかの「華」や「人間的魅力」があれば、人気が出ていくことがある。
出典:稲増龍夫『AKB旋風で新しいアイドルが生まれ、テレビの凋落が鮮明になった』
歌やダンス、トーク力などはその魅力をより引き立てるプラスアルファの付加価値であり、根本の魅力が薄ければ意味を成さないものです。
悲しいかな、ファンが思っているほど世間はアイドルのスキル面に興味がありませんし、別に見てくれません。世間が見るのは、1に顔、2に顔、3・4も顔で、5が本人のキャラクター。それがアイドルの残酷な現実なのです。
このとき、外見の影響をみるために実験操作として、美人の写真を渡される人と、そうでもない人の写真を渡される人の2つの実験グループがつくられた。
次に、実験者は、男子学生にこの略歴と写真から、この女子学生の第一印象を求めた。その結果、美人女子学生のほうがより社交的でユーモアがあり、落ち着いていると評価された。つまり、これが第一印象で、美人の女子学生に好印象をもったといえる。 出典:齋藤勇『見た目で分かる外見心理学』(ナツメ社)
上記の通り、美人の方が好印象を持たれやすいとする心理実験の結果があることからも、まず最初に人の視界に入り、そのまま彼らの第一印象にもなり得るルックスが"美しい"というのは、外見以外の情報を受け取ってもらいにくいアイドルにとって最も端的で最も強い武器だと言えるでしょう。
そんな最強の武器を持っているアイドルに対して「顔だけ」だなんだと揶揄する人は、プロボクサーにも「パンチ力が強いだけ」とか言ったり、力士にも「体が大きいだけ」とか言ったりするんでしょうか?
的外れもいい所で、甚だ滑稽です。
しかも「顔だけ」だと揶揄するような方は高確率で「〇〇の方が歴長いんだからなにわより先にデビューでしょ」みたいな謎の年功序列主張派であることが多いです(体感ですが)。
しかし、"長年頑張ってるからデビュー出来る"ほど、ジャニーズは甘い世界じゃないはずです。
そんな年功序列のお情けデビューははっきり言ってジャニーズではない。
入所して1年経たずにデビュー出来たタレントもいれば、入所して15年経ってやっとデビュー出来たタレントもいます。
ジャニーズのデビューに入所歴は関係ありません。
今勢いがあるかどうか、デビューさせて売れそうかどうかが全てです。
そもそも、
アイドルにおける「実力」って何なのか。
私は歌やダンスのようなパフォーマンススキルのことだけを指す言葉だとは思いません。もっと広義的でしょう。
全国ツアーの倍率が驚異の70倍、Jr.でありながら全国ゴールデン番組のレギュラーに起用、Jr.でありながら全国放送のCMキャラクターに起用、大阪万博やスポーツ、バラエティ、映画ドラマなどメンバーの個性に合った様々な分野での個人仕事の多さ、Jr.大賞の目玉部門(事実上の人気投票)である「恋人にしたい部門」TOP20にメンバー全員ランクイン。
単なるゴリ押しならば、こう上手くは行かない。
推されているのは確かですが、彼ら自身に本当に実力がまったく無かったら、こんなことは起きていないでしょう。
アイドルにおいては、
生まれ持ったきれいな顔も
華も
オーラも
周りの人に愛される愛想の良さも
礼儀正しさも
頂いたチャンスをモノに出来る力も
一般受けの良さも
数字に強いことも
偉い大人や先輩に推してもらえる運の良さも
全てが実力のうちだと私は思います。
だからなにわ男子にはちゃんと実力がある、と声を大にして言いたい。
アイドルという存在を「歌やダンスが上手いから良い」「下手だから悪い」という物差しだけで測ってしまうのは、あまりにも勿体ないからです。
何もアイドルがデビュー前に完璧である必要なんてどこにもない。
完璧なら勿論素晴らしいけど、完璧じゃなくても素晴らしいのがアイドルの良さです。
例え歌やダンス・トークが最初は下手でも、そこからどんどん上手くなっていく成長過程を応援し、見届けることこそアイドルオタクの醍醐味だから。
よく、海外からの留学生が、日本のアイドル(の一部ではあるが)、なんで、あんなに歌が下手なんですかと驚いたりするが、日本では、それこそ、自分の子どもが学芸会で頑張っているのを応援するように、成長過程そのものが「商品」になるのである。
ファンが「アイドルを育成していく」という「参加感」を共有するというのは、最終的には「幻想」であるかもしれないが、ある意味、相互補完的な「インタラクティブなメディア行動」であり、欧米型の、一方向的な「実力至上主義」とは異なるビジネスモデルと言えるのである。
出典:稲増龍夫『AKB旋風で新しいアイドルが生まれ、テレビの凋落が鮮明になった』
確かに、なにわ男子のパフォーマンスの技術は他のグループに比べたらまだまだかもしれません。
結成歴が短い分、他のグループに比べたらずっとずっと未完成なのかもしれません。
しかし、
そのあやふやとした未完成感こそが彼らの強みであり、先の未来で如何様にも変わっていく、変わりゆくその姿を見ることが出来るという愉しさが彼らにはあるのです。
今は完璧でなくたっていい。
不完全でいい。
それくらいが1番面白いんですから。
(ジャニーズは)ジュニアを含めてジャニーズの“伝統”を踏襲しようとするアイドル。歌も踊りも完璧で、すべてが完成されているわけでもない。ただ、ひたむきに『ジャニーズのアイドル』であろうとするその姿こそ大好きなのだ。
出典:福博充『東大院生。僕、ジャニ男(ヲ)タです。』(アールズ出版)
近所のタワーレコードの棚になにわ男子のデビューシングルがずらりと並ぶ光景を見たい。
なにわ男子に初めて出会う人達の声を背中で聞きながら、レジで限定のレシートを貰いたい。
そんな日が早く、少しでも早く来ますように。
彼らが放つワンカラットの輝きに世界が気付くまで、
あと、0日。
デビュー、おめでとう。
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