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追悼八代亜紀・85年直木賞受賞作「演歌の虫」山口洋子著

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日本を代表するJ-POPアーティスト・YOASOBIの「アイドル」が世界的大ヒットを続けている。日本の歌手としては他に例をみない異例のことである。日本の多くのアーティストがこれまで世界に挑み続けてきたがいずれも失敗している。宇多田ヒカル・UTADAとして、矢沢永吉EIKITI・YAZAWAとして。
 今や日本の音楽はJ-POPを通して席捲している。
 しかし、昭和の時代、J-POPではなく歌謡曲・流行歌といわれるジャンルがあった。その中には演歌と呼ばれるものもあった。今もあるが、J-POPの大きな波に押され見る影もない。さらに音楽を聴く媒体も大きく変わってしまった。レコードからCDへ、そしてストリーミングやダウンロードへと変化した。しかし、昭和の時代、演歌の歌姫といわれた人がいた。それが八代亜紀だ。先日、七十三歳で亡くなった。膠原病だという。
 その八代亜紀の歌に「舟歌」というのがある。わたしの一番好きな歌である。
 ~お酒はぬるめの燗がいい
  肴(さかな)はあぶったイカでいい
  女は無口なひとがいい
  灯りはぼんやり灯(とも)りゃいい~
 阿久悠作詞、浜圭介作曲だ。

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