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六月号

ねえねえと話しかけ来る誰か欲しじやが芋を煮る醬油が匂ふ

宿のある強羅が終点ゆつくりと登山電車が坂道を行く

強羅駅辺りの店は既に閉づ宿の灯りが点る夕暮

溜まりたる一円玉は嵩張りて貧しき吾の財布膨らます

下草に見え隠れするカタクリの花俯きて何を思へる

猪にやられぬやうに鉄線が張られたる中カタクリの咲く

黄の靄が続く菜の花土手見えて綺麗と言ふ間に通り過ぎたり

私の六月号の歌です
エッセイも ショートショートも書きたいけれどやはり短歌が私の原点であると思います

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