投資に全てを委ねるのか?

新NISAをきっかけに投資に手を出す方が増えているようです。
投資は、しないよりはした方がいいのは確かでしょう。
しかし、経済的に豊かになろうとするなら、投資一本全力投球は筋がいいと言えるのでしょうか。

長期インデックス投資では、途中で上下するものの、最終的には平均して年利3~5%程度を想定するのが理想とされています。
当然、元本が少なければ利益も少ないので、入金力、つまりは毎月どれだけ積み立てるか、という金額が重要になります。
しかしながら、今年の年初から毎月5万円を積み立てて、数カ月経った今の利益はどの程度でしょうか。

私の場合は、おおよそ7万円です。

月にならすと1万円程度。
「何もしなくても7万円増えた」、と見ると大きいです。
投資しただけなのに、月に1回、アルバイトを入れたぐらいの稼ぎにはなっています。

これを20年も続ければ、元本は膨れ上がり、その分振れ幅も大きくなっていくわけです。

場合によっては、数千万円でとどまらず、億を超えてしまうかも。というシミュレーションもあります。

ですが、これにすべてを賭けるというのは、心許ないし、片手落ちではないでしょうか。

長期投資では、遠い将来豊かになっているかもしれない、という賭けはできても、今を豊かにすることはできないのです。

投資は、値動きの激しい貯金です。
今使わないと決めたお金を積み上げているだけです。

将来の備えは大切でしょう。
しかし、それと同じくらい今の豊かさも大切です。
今の豊かさあっての未来の保証です。

であれば、どうするのか。

今を豊かにするには、収入を増やすか、支出を減らすことです。

収入を増やすには、いくつかの方法があります。
昇給の交渉をする、転職活動をする、副業を始めてみる。
とにかく、手元に入って来る金額を1円でも増やす行動を取ってみることです。
スキルがあればそれを使ってみるのもいいし、ないならば身に付けるところから始めても良いと思います。
回収の見込みがあるならば、スキル習得のために自己投資も良いでしょう。
月に5万円の収入を増やすことができたなら、一年で60万円、20年で1200万円の利益を生むのです。
実際には20年間ずっと月5万円のまま、ということもないでしょうから、もっと大きな利益を上げられる可能性があります。
投資よりもよほど高い確率で、今も、将来も豊かにしてくれるでしょう。

一方、支出を減らす方はそう簡単ではありません。
あからさまに不要な支出はカットすればよいのですが、要否の判断が難しいこともあるでしょう。
そして減らせるコストには限りがあります。
節約至上主義になって支出を減らすために生活の質を落とし過ぎると、本末転倒です。
あくまで「今を豊かにするために」カットするのであり、目的と手段をはき違えないことです。

投資は有効な武器ではありますが、遅効性であり、万能ではありません。
そして、上手くいってもお金しか生みません。
手に入れた金銭的な余裕と、それに伴う精神的、時間的な余裕を何に使うかが価値になるでしょう。

支出を適性化し、収入を増やし、余った資金を投資する。
1つを過信せず、バランス感覚を大事にしたいですね。


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