認知症になっても忘れないことがある【音声と文章】
山田ゆり
00:00 | 00:00
≪5分10秒でサクッと聴けます≫
音声と文章どちらでもお好きな方をどうぞ。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は、
【認知症になっても忘れないことがある】
ということをお伝えいたします。
認知症になると
全てを忘れてしまうものだと
私は思っていた。
しかし、アルツハイマー型認知症の母を10年間介護してみて
必ずしもそうではないと分かった。
認知症になられても
プライドや人としての尊厳
そんな感情はずっと忘れずに残っているのだと知った。
母が認知症になって初期の頃、
仕事から帰宅した私が見た光景は
玄関に包丁
お風呂場に亀の子たわし
仏間にまな板
居間に鍋
どうしてこんな物がここに？
いつも部屋中に散乱していた。
また、夏が近づき
熱中症が気になりだした頃
自分で衣服の調整ができなくなってきた母が心配だった。
母は既に季節を認識できなくなっていた。
だから真夏でもストーブをガンガン焚いていた。
母の記憶はどんどんなくなっていくのに
そこのスイッチを押せばストーブが点くという事は
なぜか覚えていた。
帰宅した私が、熱風でくらくらするくらいの部
屋のストーブの電源を切る日が何度もあった。
だから、日中、母がひとりで家にいるのが心配で
デイサービスに行けるように私は手配した。
そして母にデイサービスに行こうと言ったら
「私はまだそんなところに行くような年ではない。」
と拒否された。
そんな年って、75歳を過ぎているのだから
「そういう年齢でしょ」と私は思うのだが。
母は自分をいったい、何歳だと思っているのか。
母に自分の年齢を聞いたら、少し考えて
「62歳」と答えた。
余談だが、母を介護して面白い発見があった。
認知症が進行した人に
自分の年齢を聞いても即答できない。
しかし、生年月日を尋ねると間髪入れずに答える。
生年月日と名前は
生まれた時からずっと変わらないから
身に染みているのかなと
母の介護をしてみて感じた。
話を戻そう。
母にデイサービスに行こうと何度言っても、
嫌だ、と言われ続けた。
せっかくデイサービスに行けるようになったのに、
母は断固、拒否していた。
私は困った挙句に
地域包括支援センターの相談員の方に相談した。
相談員の方は優しく笑っていた。
そういう事はよくあるそうだ。
『そうですね。お母様は温泉がお好きですよね。
じゃあ、そこのデイサービスのお風呂は温泉だから、
お母様には、「温泉に行く」と言ってみてはどうでしょう。』
と、アドバイスをいただいた。
そして、その通り言ったら
温泉好きの母はあっさりOKしてくれた。
母は毎回、これから自分はどこかに出かけるらしいと察して
「自分はどこに行くの？」と私に聞いてきた。
認知症になっても
直近の不安は感じるのだろう。
「温泉だよ」と言うと母はホッとしていた。
そんな母を見て、胸の奥がチクリとした。
嘘も方便
自分に言いきかせた。
母のため。
私のため。
家族のため。
母をデイサービスに送り出す時
私は母に毎回、小さな嘘をついていた。
認知症になっても忘れないことがある。
名前
生年月日
プライド
その人なりの基準
認知症になったからといって
何もかも忘れてしまうというわけではないと
アルツハイマー型認知症の母を介護して感じた。
今回は
【認知症になっても忘れないことがある】
ということをお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日にしましょう。
山田ゆりでした。
◆◆アファメーション◆◆
私は愛されています。
大きな愛で包まれています。
失敗しても
ご迷惑をお掛けしても
どんな時でも愛されています。
夫の急逝で私たち親子は
いろいろな壁にぶつかりながら
日々成長しています。
3人の娘たちが愛おしい。
あなた、私たちは大丈夫。
ありがとう
あなた。
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大それたことはしなくてもよい。
そこに向かう姿勢が大事。
日々、忘れない努力をする。
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https://note.com/tukuda/m/m5b66808db98c
「読むとほっこりする」
「胸にじーんと来ました」
などの感想をいただいています。
音声と文章どちらでもお好きな方をどうぞ。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は、
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ということをお伝えいたします。
認知症になると
全てを忘れてしまうものだと
私は思っていた。
しかし、アルツハイマー型認知症の母を10年間介護してみて
必ずしもそうではないと分かった。
認知症になられても
プライドや人としての尊厳
そんな感情はずっと忘れずに残っているのだと知った。
母が認知症になって初期の頃、
仕事から帰宅した私が見た光景は
玄関に包丁
お風呂場に亀の子たわし
仏間にまな板
居間に鍋
どうしてこんな物がここに？
いつも部屋中に散乱していた。
また、夏が近づき
熱中症が気になりだした頃
自分で衣服の調整ができなくなってきた母が心配だった。
母は既に季節を認識できなくなっていた。
だから真夏でもストーブをガンガン焚いていた。
母の記憶はどんどんなくなっていくのに
そこのスイッチを押せばストーブが点くという事は
なぜか覚えていた。
帰宅した私が、熱風でくらくらするくらいの部
屋のストーブの電源を切る日が何度もあった。
だから、日中、母がひとりで家にいるのが心配で
デイサービスに行けるように私は手配した。
そして母にデイサービスに行こうと言ったら
「私はまだそんなところに行くような年ではない。」
と拒否された。
そんな年って、75歳を過ぎているのだから
「そういう年齢でしょ」と私は思うのだが。
母は自分をいったい、何歳だと思っているのか。
母に自分の年齢を聞いたら、少し考えて
「62歳」と答えた。
余談だが、母を介護して面白い発見があった。
認知症が進行した人に
自分の年齢を聞いても即答できない。
しかし、生年月日を尋ねると間髪入れずに答える。
生年月日と名前は
生まれた時からずっと変わらないから
身に染みているのかなと
母の介護をしてみて感じた。
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嫌だ、と言われ続けた。
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そういう事はよくあるそうだ。
『そうですね。お母様は温泉がお好きですよね。
じゃあ、そこのデイサービスのお風呂は温泉だから、
お母様には、「温泉に行く」と言ってみてはどうでしょう。』
と、アドバイスをいただいた。
そして、その通り言ったら
温泉好きの母はあっさりOKしてくれた。
母は毎回、これから自分はどこかに出かけるらしいと察して
「自分はどこに行くの？」と私に聞いてきた。
認知症になっても
直近の不安は感じるのだろう。
「温泉だよ」と言うと母はホッとしていた。
そんな母を見て、胸の奥がチクリとした。
嘘も方便
自分に言いきかせた。
母のため。
私のため。
家族のため。
母をデイサービスに送り出す時
私は母に毎回、小さな嘘をついていた。
認知症になっても忘れないことがある。
名前
生年月日
プライド
その人なりの基準
認知症になったからといって
何もかも忘れてしまうというわけではないと
アルツハイマー型認知症の母を介護して感じた。
今回は
【認知症になっても忘れないことがある】
ということをお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
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今日も素敵な一日にしましょう。
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