※音声・文章、どちらでも楽しめます。



おはようございます。
山田ゆりです。



今回は
うたかたの夢
ということをお伝えいたします。



「ハッ！お母さんがいない！」

真夜中に何となく目が覚めた私は
母がいない事に気が付いた。

母を探して長い廊下を走っていたら
途中、行き止まりになっていた。

「ああ、そうだった。
ここは通れないんだ。」

私は左の廊下に向かった。


のんびり歩いている母を見つけた。
予想通り
母の歩いた後には
ぽたぽたとしずくが落ちていた。

「お母さん！戻ろう！」


場面はなぜか真夜中のデパートの中になった。
閉店して僅かな灯りしかない。
お客様は勿論いない。

母はアルツハイマー型認知症になって
やたらと鼻水がでるようになっていた。

見ると顔面が凄いことになっていた。

母はマスク売り場でマスクを一つ手にした。

「お母さん、それは売り物だからダメ！
元に戻して！」
母は私の言葉を無視してマスクを小脇に抱えた。


そこに、見回りのガードマンが来て声をかけられた。

しまった。見られた。

私はどう弁解しようかと
頭の中が急回転したがうまい言葉が出てこない。

懐中電灯を持ったガードマンは
「もう、遅いですから、早くかえってくださいね。」と優しく言われた。

どうやらマスクの事は見られなかったようだ。




私たちはデパートを出た。
とにかく早く家に帰らなければ。

気が付くと母が運転席に座っていた。
「お母さん！何してるの！早く降りて！」

しかし、母は車の鍵を回そうとしていた。
そして、数回回したらエンジンがかかってしまった！





寒くて目が覚めた。

夢だった。
夢で良かった。

私はほとんど夢を見ない。
正確には夢を見てもどうやら忘れているらしい。

だから、こんなにはっきりと夢を覚えているのは珍しい。

懐かしい母がいた。
お漏らししている母
鼻をたらしている母
私のいう事を聞かないで突っ走る母

一晩でも、懐かしい母に出会え
うたかたの夢を見られただけでも嬉しい。




これまでの事に決別をし
新たなスタートを切った私に

お漏らししながらも
鼻をたらしながらも
私を勇気づけようとして母が現れてくれたのかもしれない。



認知症になっても
この世からお別れしても
私の事を心配してくれるお母さん。



お母さん、ありがとう。
私、がんばるね。






今回は
うたかたの夢
ということをお伝えいたしました。

本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。　

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。

山田ゆりでした。





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私は愛されています
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失敗しても
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どんな時でも
愛されています

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大それたことはしなくてもよい
そこに向かう姿勢が大事
日々忘れない努力をする
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