4枚のコイン【音声と文章】
山田ゆり
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※音声と文章、どちらでも楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
4枚のコイン
ということをお伝えいたします。
「お客様、お金、多いですよ。」
Ａ子は受け取ったお金を見て
とっさに言った。
「いいから、そのままレジに入れてみて。」
お客様はニコニコしながら答えた。
そして、算出されたお釣りの金額を見てＡ子は驚いた。
多いと思っていた小銭を入れることによって
お釣りの硬貨の枚数が少なくなったのである。
Ａ子は私の二女。
二女は昔からお財布にいつの間にか
小銭が貯まってしまう方だった。
だからよく小銭と紙幣の交換を私にお願いしてきていた。
その内容は、例えば10円玉が20枚以上、
5円玉は6枚以上含まれた1000円分の小銭を私に渡す。
そしてなぜか合計が1000円以上だった。
8回の内7回は私に多くお金をよこしていた。
二女は冗談でも意図的なことでもなく
いたって真剣に数えているのに
「お決まり」のように硬貨の数をまちがえていた。
二女が両替をする時、お金を多くよこすことは
我が家伝説に殿堂入りしている。
そんな金銭授受に不安を持つ二女が
お金を扱う仕事についた。
二女はそこで硬貨をあと1枚出すことによって
お釣りが大きな単位になる事を知った。
どういうことかと言うと
例えば買い物合計が501円だったとする。
お財布には1000円紙幣と10円玉が3枚入っている。
この場合、あなたは1000円を出す？
それとも1010円を出す？
1000円を出すと499円のお釣りが来て
1010円を出すと509円のお釣りになる。
ほとんどの方は後者を選ぶと思う。
私もそうだ。
それは正確なお釣りが計算できなくても
私は感覚でとっさに1010円を出す。
これはもう、条件反射としか言いようがないが、
この感覚が私は好きだ。
二女はこの感覚が分からなかった。
どうして硬貨1枚を出すことによって
お釣りの枚数が減るのか
とっさの判断がつかない人だった。
だからお財布の中はすぐに硬貨でいっぱいになっていた。
ある日二女は
「成功者は同じコイン（硬貨）は4枚までしか持たない。
それ以上持つのはイマイチな人」
という意味合いの言葉を知った。
最初、二女はその意味が分からなかった。
しかし、お財布に同じコインが4枚あれば足りる
という事を頭の中に入れて意識するようになった。
やがて二女のお財布は小銭でパンパンになる事はなくなった。
二女は言う。
「私はずっと、あと1枚コインを出すことにより
お釣りの枚数が減る感覚が分からなかった。
自分の考えが一番だと思ってきたが
自分と違う考えを持っている人と出会うのは大事だと思う。」
「それにしてもお母さんはすごい。
一緒に買い物に行った時
どうしてそんな金額を払うの？って私は思うが
お母さんはいつも正しい。
とっさに出すあの速さは歳を重ねた今でもすごいと思う。」って。
「同じコインは4枚まで。」
小銭ですぐにお財布が膨らんでいた二女。
お金の両替には必ずと言っていいほど間違っていた二女。
そんな二女が大学を卒業後、金融機関で働いている。
不思議な縁である。
性格の良い二女は周りの皆さまに好かれ
仕事も間違いはなく、
「〇〇さんは太陽みたいな人だ」と言われ慕われている。
都会で一人暮らしの二女は
実家に戻ることを決意し
本日、仕事の最終日だ。
4年間、お疲れさま。
そしてこれからもよろしくね。
今回は
4枚のコイン
ということをお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
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突然、アルツハイマー型認知症になった同居の実母を介護した、
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『読むとほっこりする』
『胸にじーんと来ました』
などの感想をいただいています。
.｡*ﾟ+.*.｡ ﾟ+..｡*ﾟ+
大それたことはしなくてもよい
そこに向かう姿勢が大事
日々忘れない努力をする
.｡*ﾟ+.*.｡ ﾟ+..｡*ﾟ+
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
4枚のコイン
ということをお伝えいたします。
「お客様、お金、多いですよ。」
Ａ子は受け取ったお金を見て
とっさに言った。
「いいから、そのままレジに入れてみて。」
お客様はニコニコしながら答えた。
そして、算出されたお釣りの金額を見てＡ子は驚いた。
多いと思っていた小銭を入れることによって
お釣りの硬貨の枚数が少なくなったのである。
Ａ子は私の二女。
二女は昔からお財布にいつの間にか
小銭が貯まってしまう方だった。
だからよく小銭と紙幣の交換を私にお願いしてきていた。
その内容は、例えば10円玉が20枚以上、
5円玉は6枚以上含まれた1000円分の小銭を私に渡す。
そしてなぜか合計が1000円以上だった。
8回の内7回は私に多くお金をよこしていた。
二女は冗談でも意図的なことでもなく
いたって真剣に数えているのに
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二女が両替をする時、お金を多くよこすことは
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お釣りが大きな単位になる事を知った。
どういうことかと言うと
例えば買い物合計が501円だったとする。
お財布には1000円紙幣と10円玉が3枚入っている。
この場合、あなたは1000円を出す？
それとも1010円を出す？
1000円を出すと499円のお釣りが来て
1010円を出すと509円のお釣りになる。
ほとんどの方は後者を選ぶと思う。
私もそうだ。
それは正確なお釣りが計算できなくても
私は感覚でとっさに1010円を出す。
これはもう、条件反射としか言いようがないが、
この感覚が私は好きだ。
二女はこの感覚が分からなかった。
どうして硬貨1枚を出すことによって
お釣りの枚数が減るのか
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ある日二女は
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という意味合いの言葉を知った。
最初、二女はその意味が分からなかった。
しかし、お財布に同じコインが4枚あれば足りる
という事を頭の中に入れて意識するようになった。
やがて二女のお財布は小銭でパンパンになる事はなくなった。
二女は言う。
「私はずっと、あと1枚コインを出すことにより
お釣りの枚数が減る感覚が分からなかった。
自分の考えが一番だと思ってきたが
自分と違う考えを持っている人と出会うのは大事だと思う。」
「それにしてもお母さんはすごい。
一緒に買い物に行った時
どうしてそんな金額を払うの？って私は思うが
お母さんはいつも正しい。
とっさに出すあの速さは歳を重ねた今でもすごいと思う。」って。
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そんな二女が大学を卒業後、金融機関で働いている。
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性格の良い二女は周りの皆さまに好かれ
仕事も間違いはなく、
「〇〇さんは太陽みたいな人だ」と言われ慕われている。
都会で一人暮らしの二女は
実家に戻ることを決意し
本日、仕事の最終日だ。
4年間、お疲れさま。
そしてこれからもよろしくね。
今回は
4枚のコイン
ということをお伝えいたしました。
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ありがとうございました。
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