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素顔 【音声と文章】

山田ゆり
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※途中でプリンターのメンテナンスの音が入りますが気にしない(≧◇≦)
※音声・文章、どちらでも楽しめます。



おはようございます。
山田ゆりです。



今回は
素顔
ということをお伝えいたします。


私は今でこそ車の運転をしているが
高校を卒業してすぐに就職した会社に勤めていた時代は
車の運転をしていなかった。

運転免許を取ることが社内で一時期流行っていた時に
私も取ってみたいというただそれだけの理由で免許をとった。
だから、頑張って免許を取得したにも関わらず
自分の車もなくペーパードライバー歴に甘んじていた。

そもそも、当時、私に車は必要なかった。

自宅から駅まで徒歩7分くらい。
田んぼ道を電車が6分くらい走り
駅から会社まで徒歩5分くらい。

朝の5:30頃から終電の21:30まで
電車は30分おきに来るという、
通勤には好条件だったから車は必要はなかった。


電車は30分おきにくるので
ひとつ乗り遅れると30分くらい待たなければいけない。

あの頃私は独身で家に帰ると両親と弟がいた。
家事は全て母がしてくれていたから

私は帰宅して母の手料理を食べて
母が沸かしてくれた薪ストーブのお風呂に入って
自分のことだけして
寝る前に読書をするというように
一日が自分のためだけにあった。


だから、帰りの電車に乗り遅れても私は全然気にならなかった。

どうしても早く帰りたい時以外は
猛ダッシュしたら間に合うかもしれない電車はやり過ごして
のんびり待合室で本を読んでいる
そんなお気楽な独身貴族だった。


出発時刻の15分前に電車がやってくる。
その駅は始発駅だからその時間帯には必ず座れる。

あの頃、赤川次郎さんや星新一さんの本をよく読んでいた。


電車に乗り込む。
私は電車の先頭のはじっこに座り、鞄から本を出して読み始める。

やがて、ブオーンという汽笛と共に電車が動き出した。

私は本を閉じた。
運転中の電車の中で本を読むのは目に悪い。

本を鞄にしまい、静かに目を上にあげ
車内をゆっくり見まわした。


向かいの座席の斜め向こうに
同じ会社のA子さんの姿を発見した。
彼女は本を読んでいて私に気づいていない。

「わぁ!A子さんだ。」
心が躍り出した。

A子さんとは仲良しだった。
いつもニコニコしていて
嫌な顔を見たことはない。

こっち、向かないかなぁ。
手を振ろうかなぁ。



しかし、私は手を振るのをやめた。

笑顔が絶えないいつもの彼女ではない
静かな顔がそこにあった。

作り笑顔ではない、素の顔だ。
口角を上げて笑顔が絶えないいつものA子さんも好きだが
静かに本を読んでいるその姿も素敵だった。


私は目の力を緩めながら彼女を見て
そして電車の揺れに体をまかせて目を閉じた。


ガタンゴトン
ガタンゴトン


電車の揺れが眠りを誘う





今回は
素顔
ということをお伝えいたしました。

本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。 

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。

山田ゆりでした。



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