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Believeー君にかける橋ー

凄いドラマだった。

ずっと、主人公(狩山・キムタク)の本当の味方は誰なのか、
権力や金に屈することなく、
真実に向き合い、戦える、気概のある人は誰なのか、

それをずっと探り続けなければならないドラマだった。

登場人物のセリフ、言動、表情、目の動き、
すべてを捉えても、
役者の方が、何枚も上手(うわて)で、
分からない。

斎藤工氏の表情は、
特に、白黒をつけさせない。
彼にしか表現できない、
憂いのある、ゆらぎに惑わされた。
正直、今でも、彼の本意は分からない。

そして、
黒木を演じた竹内涼真氏
恐かった。
終始、圧のある恐さを纏っていた。
雰囲気もテンポ感も、すべてが恐い。
人としての「凄み」に圧倒された。

天海祐希氏
あれほど「凛」として、
美しくて、
「真実」を見失わない強さと聰さを演じられる女優が他に存在するだろうか?
佇まいの説得力。
吸い込まれるような「微笑み」の美しさ。
亡くなってしまうというストーリーの中で、
残り香も清々しく、
喪失感すら、玲子のそれを演じていた。

「良いドラマ」とは何か。

私が、誰かに、
「どんなドラマなの?」と聞かれて、
ストーリーを上手に話したところで、
「それがそんなに面白いの」という反応をされてしまうだろう。

あの、終始途切れることのなかった、
「強い緊張感」を言葉で伝えるのは難しい。

主題歌を楽しみに、
ぼんやりテレビの前に座っていたら、
とんでもない集中力を引き出され、
いつの間にか主人公と感情が重なって、
「誰を信じればいいのか」と真剣に考え、
ひたすら「真実」に向かって進んでいた。

なんとなく、
テレビの前に座った人間に、
こんな経験を仕掛けられるなんて、
やっぱり、これは、
相当に、
「良いドラマ」だったと思う。
(私にとっては)

演出家が凄腕、敏腕な方なのか、
テレビの前から動けなかった。

さらに、
主題歌。

ドラマの緊張感に負けてない。
未経験の「余韻」だった。

この曲が、主題歌になった経緯には感謝しかない。

役者とか、ミュージシャンとか、
制作する方々とか、
想像以上のポテンシャルで、

未だに、
緊張感を引きずってしまうほど、
圧倒的な作品だった。

最後に、
木村拓哉氏。
かっこいい役ではない。
キムタクをしても、
逃亡中で汚い、情けない、「おじさん」に見えるファッション。
囚人だなんて、汚れ役と言ってもいい。
しかも、
「橋屋」「夢」を堂々と語る痛さもある。
それでも、
非現実に説得力をもたせられるのは、流石。
だからストーリーに入り込めた。
この方が、
今回のドラマチームをしっかりと牽引していたのだろう。
「キムタク」は伊達じゃない。





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