水中の記憶
むかしの事を思い出そうとすると
水中に居るような感覚になる
視界も悪く
ぶくぶく泡ぶく
でも心地好い
思い出せないほうが心地好いのかも
水の中で小鬼が待ってる
ぼくの友達の小鬼が小さく待ってる
小鬼だけが知ってるぼくの記憶
きみだけに預けておくから
ずっと大切にしまっておいてほしい。
小鬼は水中で笑いながら
奥深く潜っていく
暗く光が当たらない場所まで潜って
木彫りのタンスにしまってくれた。
暗くて見えなくても小鬼とぼくだけに見える
木彫りのタンスはぼうっと光っている。
木彫りのタンスを目印にまた会おう。
おやすみ。
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