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バラバラだから気が合う

友達ふたりと雪国を旅行した。

彼女たちとは大学の時からなので、もう40年来の付き合い。
旅行のきっかけは、毎回一人の友達の要望。
それに私ともう一人が乗っかるパターン。

乗っかると言っても、宿探しから現地までの移動の手配は私の担当。
他の二人は、びっちり仕事をしているので、比較的時間のある私がやることになる。

3人で旅行するのは3年ぶりかな。
3年前もやっぱり言い出しっぺの彼女が「上高地に行きたい」というので、諸々手配したのだった。

今回の彼女の要望は、「雪国で温泉に入りたい」「冬の日本海がみたい」と
ちょっとぼんやりしている。

なので、まずは温泉地の選択から始めることにした。

一泊二日なので移動に時間がかからない方がいい。
ということで、行先は新潟に決定。
上越新幹線は雪に強いし、東京から1時間半で行かれるから。

効能のよさそうな温泉を選び、電車の時間を調べ、レンタカーを手配した。コンシェルジュ並みの働き様である。

私はわがままだから、多分人の手配したものが気に入らないのだと思う。
だから自分が気にいるところを、気にいるようにアレンジするのがスキなのだ。
私が選ぶところなら、と彼女たちは信用して任せてくれるのでありがたい。

そして現地までの手配は私だけれど、旅行先で行くところについてはノータッチだ。

私は運転手なので、観光する場所は彼女達の行きたいところへ案内してもらう。
私は基本どこでもいいから。

あまりに興味がない時は流石にいうけれど、そんなことは今まで一度もない。3人とも、趣味が似ているのだ。

ということで今回まず行ったのは、温泉地に向かう途中にあった「福島潟」

聞いたことがなかったので、「何それ?」から始まった。
「八郎潟みたいなものじゃないの」
そんなテキトーすぎる会話をしているうちに到着した。

ちょっとした湖みたいな中に浮島が点在する、確かに「潟」だった。
今年は水量が多くて、小さな浮島になっているけれど、普段は歩いて渡れるのだそう。

潟を見渡せる場所に資料館があって、いろいろな情報に触れることができた。

その中でヒトキワ興味を引かれたものがあった。
それは「オオヒシクイ」

カモみたいな、ものすごく大きな鳥。

最初に模型を見た時、何倍の大きさに拡大しているのだろうと思ったものが、実物大と聞いて超びっくり。

なんと人の背丈の半分くらいもある。
でも様子はまるっきりカモなのだ。

非常に警戒心の強い鳥で、滅多に人に近づくことはないらしい。
潟にもいた様だが、何しろ遠くて、カモにしか見えなかった笑

そんなオオヒシクイに、3人ともココロを奪われてしまい、宿に向かう車中はオオヒシクイの話題で持ちきりだった。

行き当たりばったりでも、いつもそんな風で結構楽しい。

そして宿では、それぞれのタイミングで行動する。一緒に何かするということはなくて、とにかくバラバラなのだ。

流石に晩御飯は一緒だったけれど、お風呂に行くのも、寝るのも起きるのも、そして朝食はバイキングだったので朝食さえも。
それぞれ好き勝手に行く。

二日目は夕方の新幹線まで時間があったので、冬の日本海を見て、それから水族館に行った。

水族館でも、入ってすぐに別行動。
3人とも見たいものが違うから。

私は何かが見たいというよりは、とにかくのんびりしたかったので、波音のする空間で長いこと座っていた。

ホントに気が合う友達だなって思う。
彼女たちは二人とも独身で、一人の暮らしが長いので一人の時間が普通なのだ。私も一人の時間をこよなく愛するので、それが旅先でも確保できるのが嬉しい。
3人とも、お互いに干渉し合うことは全くない。

そしてお酒を飲みながら、いろんな話をする。
仕事のこと、社会情勢のこと、趣味のこと。話題が多岐に渡るのも面白いなって思う。

行動はバラバラだけど、気が合う。
そんな関係がとてもありがたくって、結構気に入ってる。



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