読みやすい漫画の描き方とは?

月尾です。
ツイッターで漫画を日々更新しておりますが、特に意識するのは「読みやすさ」です。とはいえ読みやすい漫画の描き方、って、人から習った訳でもないですし、ほぼ経験で描いている気がします。
それについて言語化、解説してみようと思います。

ツイッターでの漫画は、主にスマホで見る前提で描いていますので、スマホ向けの方法論になりますが、PC向けや紙媒体でも当てはまる事は多いはずです。

まずは文字を大きく!!

こちらは先日描いた2コマ。面白いかどうかは置いといて、読みやすくする工夫について考えていきます。

まず、これは特にスマホ向けの場合ですが、文字は大きく。私の中では、これでもか!というくらいに大きめに描いてます。
スマホで閲覧する場合、台詞を読むために画面を拡大する、という手間があるとないとでは、読む上での労力が全く変わってきます。拡大なしでストレスなく読めるよう意識しています。

目線移動のコツ

続いて重要なのは、読者の目線を意識した画面作り。
台詞がタテ書きの2コマ漫画なので、読者の目線は右上→左下と向かうのが基本となります。
下の図をご覧ください。

私のイメージとしては、2コマ漫画の場合はこのような目線の動きを想定しています。
1→2→3→4と、右・左・右・左、と読むのは分かるかと思いますが、補足として。(A)のポイント。1コマ目の左下。
ここは、なるべく文字も絵も描かない、ほぼ空白のスペースと考えています。この場所に目立つ文字や絵が入ってしまうと、そのまま目線が真下に流れてしまう可能性があるからです。2→4、と動いてしまう可能性があるからです。私は、2コマや4コマでも、人物がコマをはみ出すタチキリを多用しますが、この(A)のポイント、コマの左下方向へはみ出すようなタチキリも、上記の理由で好ましくありません。

ただし、最後のコマの場合、ポイント4の場所に関しては、画面左下に目立つ文字、絵を描いても大丈夫。
上記の2コマでも、ツッコミの台詞を画面左下に、コマをはみ出すように配置しています。これは最後のコマだからこそできるテクニック(4コマ漫画なら4コマ目)。コマの対角線を通る、大胆な斜めへの目線移動です。

上記の内容は2コマで解説しましたが、4コマでも基本は同じ。1~3コマ目は、左下の(A)のスペースを意識しますし、4コマ目では左下への目線の移動も大胆に使える、という感じです。

背景のちょっとした工夫

もう一度1コマ目をご覧ください。

(「やっぱり」って何だよ?と思うかもしれませんが、そこは気にしないでね…!!)

秋なので落ち葉を描いているのですが、この葉っぱの向きは目線移動を意識しています。葉っぱの動きを目で追う事で、右→左→右…と、自然に読めるように描いてます。

特に背景で自然を描く場合、木の配置、雲の位置などを利用して、読みやすい画面構成を意識しているつもりです。
こういった要素は読者からすると、ほとんど気付かないものだと思うのですが、だからこそ工夫しがいがあると思っています。

まとめ・読みやすさは大事

「ストレスなく読める」というのは本当に重要です。
「ん?読みづらい」とか、「ここどういう意味?」というストレスが重なると、その時点で読んでもらえなくなる。特にsnsの漫画と言うのは、パッと一瞬見て、読む気が起きなければそこでスルーされてしまうのが現実。

「読みづらい」は意識しやすいですが、「読みやすい」は、正直ほとんど意識されません。というか、意識させずにすんなり読ませることが芸だと思ってます。
あまり意識されないからこそ、「読みやすい漫画」の重要さは忘れられやすいものですが、私としては、せっかく私の漫画に興味をもってくれる、好きになってくれる読者には、できる限りストレスなく読んでもらうために、可能な限り工夫を重ねたいと考えてます。

どこまで工夫するかは人それぞれですが、スマホ向けに描くのであれば、ちょっと文字を大きくするだけで劇的に見やすくなる、というのはよくある事です。

などと、個人的な、読みやすい漫画についての考えを色々と書いてみましたー!!

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