花束みたいな恋をした感想

終わりに向かっていると気づいても、楽しかった時の事ばかり思い出してしまう気持ちが痛いほど分かって、心が痛かった。
お互いが段々変わっていく事が、どちらも悪いわけでは無いのが1番悲しかった。
出会った時は共通点が沢山あって嬉しくなるけれど、一緒に暮らしているうちに全部知った気になって当たり前に思えるのも、人間の駄目な所だとか合わない所は誰しもあるけれど
お互いに最初は合わせようと努力していて、だけど相手を知っていくうちに自分を受け入れてもらえるか、相手を受け入れるかと不安になるし
自信もなくなるのもよく分かる。
麦くんが「今日みたいに、映画観るとか他にも何かして欲しいことある?」と言っていて
以前は2人で一緒に楽しんでいたのに
今は"して欲しい事"と思っているんだと胸が痛かったし
絹ちゃんが、「電球かえてほしい。」って2人でしたい事じゃなくて、本当にして欲しいことに焦点を絞って返事をしているのも泣けた。
「1人のさみしいより、2人でいる時のさみしいの方が断然大きい。」みたいな言葉がまさにそうで、最初は失っても割り切れるから感情も出せるし怒れるけど、段々長く一緒にいると失うのが怖くなって、自分の気持ちが言えなくなっていく様が見ていて分かった。
便利な場所より川沿いのアパートとか、お金よりやりたいことをやってほしい気持ちとか
大切なところが同じだったり、別れた後の情で繋がっている生温い空気感とかが、第三者目線で見るととても美しかった。

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