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変わるものと、変わらないもの #自殺した少年と同級生達の切ない物語

第一話 宮田忠 世界には、いつも変わらないものと、いつも変わるものとがある。見分け方は簡単。人を好きになったことがあるか、ないか。たったそれだけだ。人を好きになると、人は変わる。人を好きになったことがないと、人は変わらない。  俺は、いつも変わるものだった。  それはほんの1日前のこと。隣のクラスに転校生が来た。  「おい、男だってよ。しかも、イケメン」  「そう」  うちの学校は、転校生がよく来る。俺がこの学校で学んでもう2年が経つが、その間に8人は来たと思う。そのうち7

    • 鍵穴のあるラブレター #異世界恋愛?

      ある朝 ある朝、起きると自分の周りが鍵穴だらけだった。朝に弱い俺にとって、それを理解するのにはとにかく時間がかかった。 やっと理解すると、顔から血の気が引いていった。なんだここは? 周りには壁が四つあった。色も自分の部屋と同じだ。でも、タンスや勉強机は消えていて、代わりに壁一面に鍵穴があった。自分の寝ているベッド以外全てが消えていた。 すると、横に封筒があることに気づく。小さなレターセットだった。中に何か硬いものが入っていた。すぐにそれを開ける。 手紙と鍵が入ってい

      • 暖房とテニスボール #両片思いBL

        出会い 「えー、本日から入部致します、小柳です。よろしくお願いします」  小柳は、部員たちの前で頭を下げ、やる気のない拍手を受け止める。そりゃあ、そうだろう。3か月経ってやっと入部してきた奴の顔なんて見たくもない。個人の感想だが。  しかし、このテニス部を真剣に愛し、そして新入部員に優しく接する同級生がいた。  「そこ、癖になってるから気を付けて」  「もう少しフォームを意識して」  「体制崩さないようにね」  事あるごとに注意をしてきて、時には腹が立つこともあるが、少し考え

        • 愛はない #切ない百合短編

           彼女と出会ったのは、小学3年生の頃。  私は、本を読むのが好きで、あの日も、ただひたすら本と向き合っていた。  そんな私に、彼女は声をかけてくれた。  その後は、風のようだった。  同じアニメが好きだったのをきっかけに、すぐ仲良くなった。  ワークスペースで何度もヤンチャした。  それを見たクラスメイトは、私たちを気味悪がったが、気にならなかった。  隣に、彼女さえいればいい。  それだけだった。  年月が経ち、高校生になった私たち。  別々の道を行く前に、モールに遊びに

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