アレクサがえげつない赤字を出していたと聞いて、本の読み上げを想う
自分の生活において毎日確実に使っている物。
それはアレクサである。
朝から晩まで、なにかしら活躍してくれる。
Alexa(アレクサ)はAmazonの提供するAI音声認識サービスなのだが、なんと年間50億ドル以上の営業赤字を出していたらしい。
なにがすごいって、日本円にすると6950億5000万円の赤字だ。
(どんな規模だよと)
ちなみにこの日本円換算も今アレクサに聞いた。
こういう単位変換や微妙に面倒な計算を声に出すだけでやってくれるので助かる。単位が全部頭に入っていて暗算が得意な人は必要ないかもだけど。
ニュースによると、AI音声認識サービスについてはこのまま投資を続け、
デバイスに関しては縮小なんて話もあるそうな。
実際デバイスの種類はかなり多かったし。
もう良いんじゃないかなとは思う。
これからはAI強化に努めるというなら、個人的には嬉しい。
既存のデバイスのUIもどうにかしてほしいと思わなくもないけど。
そんなアレクサは音声でいろいろな指示ができるのだが、数年使って思うのは、別にアレクサじゃなくても出来ることしか基本使ってないということ。
タイマー、スケジュール、天気、目覚まし、SwitchBotの操作等。
音声AIはAppleのSiriや、GoogleのGoogleアシスタントなどもあるし、それらでもスケジュール追加やタイマーは多分使えるだろう。
さらにいえば検索機能はGoogleの方が得意な気がするし、実際アレクサに聞いても良い答えが帰ってこないことが多いので、色々聞かなくなった。
それでもアレクサを使ってるのは、デバイスが安かったのと、話しかけるだけというのはやっぱり楽だからだろう。
別にスマホでもこれらのAIアシスタントは使えるが、四六時中スマホを持ち歩いてはいない自分は、部屋にデバイスが置いてあることが大事なのだ。
一方で、Amazonのデバイスであるアレクサは「買い物機能やAmazon関連サービスとの連携がいい感じ」という話になっていたが、これは正直微妙だと思う。
音声だけで注文はリスクしか感じないので一度も使ってないし、
AmazonビデオはPCで見たほうが色々快適だし、
Amazonミュージックに関しては、アップデートでSpotifyなどと同じように目的の曲だけを聞くことが出来ないシャッフル再生になってしまった。
アレクサだからこそのコンテンツをことごとく使っていない。
ただ、『電子書籍の読み上げ』には可能性を感じるのだ。
あまり知られていない感じがあるが、実はアレクサに電子書籍を読ませることが可能で、速度調整も出来るのである。
いまやポッドキャストを聞きまくりの自分にとって、ラジオのように本を読み上げてくれるなんて最高だ。目が疲れないし。
だが、ちょっと問題もある。
どうもこの読み上げが意味の分からないところで途切れるのである。
例を挙げると、
「後輩がそう言って渡してくれたものだ。」という文を読み上げるとき、
「後輩がそう言って渡し ・ てくれたものだ。」…みたいになる。
(なんだその分割は……?)
「、」や「。」で途切れるならまだわかるのだが、どうも違うようだ。
柞刈湯葉氏の『人間たちの話』を読んでからだと、「断続話法じゃん!」と謎の感動をしそうになるが、本の読み上げでは聞いていてあまり耳心地の良いものではない。
そして、Amazonがこの問題を改善するとは思えない理由もある。
Audibleとサービスが被ってるからである。
Audibleはプロのナレーターによって音読された本が聴ける月額サービスだ。
もしアレクサによる読み上げが優秀になってしまったら、わざわざ月額費を払ってAudibleを契約するのが馬鹿らしくなるのは明白。
プロのナレーターによる読み上げは魅力的ではあるが、そもそもアレクサの音声だって外画で有名なプロ声優の本田貴子さんだし、聞きやすい声だ。
更にはAmazonは「音声学習でアレクサを家族の声に変えられるようにしたい」と過去に発言している。
実際そういう音声サービスは既に存在するので無理な話ではない。
家族ではなく好きな声優の声にだって、やろうと思えばできるだろう。
そうなったら特定の読み上げ人で収録されたAudibleより、自分の好きな音声に変更したアレクサで読み上げてもらいたい人が大勢いるのは目に見えている。
(こりゃ読み上げ機能強化されないわ……)
果たして今後アレクサがどうなっていくのか。
色々言ったけれど、AmazonPrimeのクラウドストレージに旅の写真1TBを預けさせてもらっている自分としてはAmazonから離れる気はさらさらない。このサービスの充実度で年5000円は安すぎると思うし。
ちなみに学校に通う子供が居る人は、「Prime Student」に入れば年2500円でPrimeの特典はそのままに、本の購入時に最大で10%ポイントがついたりするという最強プランがあるので使いましょう。
なんだかんだ、このサブスクは一生入ってそうだなあ……。