【El Condor Pasa】コンドルは出てこないし空を飛びたくもない『コンドルは飛んで行く』……と思いきや?
なんかもう休日は昼起きが常態化しているということで、その後出かけもせずにYoutubeを延々見ていた。
すると、『コンドルは飛んでいくの日本語版がヤバい』という動画を発見。
思えばさほど音楽に興味のない自分ですら、「コンドルは飛んでいく(El Condor Pasa)」のメロディーはちゃんと覚えている。
でも歌詞なんてあったっけ……?
そんなわけで「コンドルは飛んでいく」の日本語版を聴いてみた。
……するとたしかになんだか思ってたのと違う。
雄大なアンデスの風景(行ったことないけど)が思い浮かぶメロディーからは想像もつかない歌詞だった。
(※以下、個人的解釈で抜粋します)
いやこれはつまり、「なれるなら勝ち組側になりてぇわ」という理解でよろしいでしょうか……?
……いや、自分の浅い考えで理解していいものではないのかもしれない。
でも完全に全ての項目で勝ち組……というか、攻撃者側になりたいという意図が見えるような……?
他の部分も見てみよう。
いや本当にコンドルが一切出ないまま終わったわけだが、なぜか白鳥は出てきた。(謎)
そして自分はこの曲のメロディーから「空を飛ぶコンドルがアンデスを見下ろす姿」的なものを思い浮かべていたのだが、この歌詞は人間が大地に縛り付けられている様を歌っている。
そして「船出したい」とか述べたりしつつも、「自分の足で大地を感じたい」という結論に至っており、少なくとも空に飛び立つ気配は一切ないのは確かだ。
いやまさかこんなに自分の中のイメージと乖離した歌詞だったとは……。
なお、この「コンドルは飛んでいく」を何人もの日本人がカバーしているようだが、見た感じどれも元にした歌詞はサイモン&ガーファンクルによる「コンドルは飛んで行く」らしい。
そして結論から言えば、サイモン&ガーファンクルの歌詞は元とは全然異なる英語の歌詞を書き下ろしたものなのである。
要するにこれが特殊なだけで、他の「コンドルは飛んでいく」の歌詞では、普通にコンドルが出まくりだったりする。
なお詳しいそれぞれの歌詞の内容は、以下の『ペルー観光案内サイト』さんを見ていただきたい。
そしてこのサイトによると、「コンドルは飛んでいく」のカバーの歴史はこうなる↓
【1913年】
Daniel Alomía Robles ダニエル・アロミーア・ロブレスが作曲。
インカ王妃が主人公のオペレッタの舞台音楽で、この時点では歌詞はない。
【1963年】
Los Incas ロス・インカスというアンデス音楽のバンドがカバー。後に歌詞をつける。
歌詞の内容は元のオペレッタを反映したインカ帝国の滅亡を嘆く内容で、コンドルは普通に登場する。
【1970年】
Simon and Garfunkel サイモン・アンド・ガーファンクルが Los Incas ロス・インカスの「コンドルは飛んでゆく」パリで聴いて感動する。
その後Los Incas ロス・インカスにコンタクトして使用許可をもらい、英語の歌詞をつけ直して発売。(インカやコンドル要素は消える)
【1972年】
Esther Ofarim エステル・オファリムが、スペイン語で歌詞を変えてカバー。
このカバーでは主人公は間違いなくコンドルで、アンデスの風景要素に溢れる歌詞。
(サイトの方もこのバージョンが好きらしいが、自分の中の「コンドルは飛んでいく」に一番合うイメージもこれかもしれない)
そんなわけで、ホントに全然コンドル出ないわと思ってたら、ちゃんと他では出てたらしい。
しかし久々に聴いたが、相変わらず物悲しい良いメロディーである。
……中南米、どんな感じなんだろう。
台湾すら未だに行っていない自分の人生で、中南米に行く日は果たして来るのだろうか。
また今回の記事を書くにあたり、
1879年から始まった太平洋戦争(硝石戦争)がきっかけとなった先住民の蜂起と先住民擁護運動や、欧米列強の経済支配への反発が1913年のオペレッタ(内容はアンデス住民とアメリカ人鉱山主との社会闘争)を生むことになる流れなどなど、
「変な歌詞!」というスタートからは想像もできない中南米の歴史を知る良い機会になった。
やっぱり何事も調べてみるもんである。
そして釘よりもハンマーがいいかはともかくとして、どこかへ船出はしたいなと思う自分なのだった。
早く来い、休日。
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