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【つながる旅行記#15】in青森 県立郷土館で味わう異文化

前回のあらすじ
初めての帰省で長距離移動をすることになった。
しかしただ実家に戻るのも勿体ない話。
せっかくなので途中下車の旅をすることにし、まずは夜の青森へ。
翌日、八甲田丸を観光して青函連絡船について学んだあと、さらなる知識を求めて博物館へ向かうことにするのだった。

青森市に博物館はいくつかあるが、今回は八甲田丸から1.5kmほど歩いたところにある、青森県立郷土館へと向かうことにする。

300円ほどで常設展+企画展も見られるらしい。すごい。

中に入り、二階に登って展示が始まる。

さすが三内丸山遺跡のある青森だけあって、始まりは先史時代の展示からだ。縄文土器の展示も多い。素晴らしい。

そして青森が誇る縄文土偶の国宝、合掌土偶もある。
……レプリカだけど。

そして国宝ではないが、あの有名な遮光器土偶もある。
……レプリカだけど。

本物の合掌土偶は、八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館に。
本物の遮光器土偶は、東京国立博物館で見ることが出来る。

あとこの前見た大型板状土偶も展示されている。
本物は三内丸山遺跡にあるので、これも当然レプリカだけど。

こうやって書くとレプリカばっかじゃないかと思われそうだが、ある意味でメジャーどころが実物大で全部見れると思えば良いのではないだろうか。

しかしこうしてみると、縄文時代を代表する多くのものが青森にあるということがわかる。遮光器土偶は青森の亀ヶ岡、合掌土偶は青森の八戸だ。
海を渡った函館にも国宝の中空土偶があり、まさに青森周辺は縄文文化の重要な地域なのだ。

資料館の土偶たち

そして展示の中にあった鼻曲がり土面というものもなかなか興味深い。

※動画は岩手の御所野縄文公園チャンネルのもの

なんで鼻が曲がっているのか。
その理由はなんだかよくわかっていないようだ。
しかしいくつも似たようなものが出土しているので、何かしらの意図があったのだろう。

遮光器土偶や他の国宝の土偶もそうだが、「あれとすごく似た形だけどなんかちょっと崩れてるよな~」みたいな土偶は大量に出土している。
試作品だったのか、「流行りのものを真似して作ってみました」というものだったのか、最初はアレだったものがどんどん洗練されていったのか、真相はよくわからないけれど、ある種の”型”のようなものは確実にある。
しかし本当に土偶は面白い。
一体何を模しているんだろう。

先へ進むと、今度は白神山地の動物や植物を紹介するコーナーがあり、青森の歴史を一通り近代あたりまで展示したフロアに続く。

ここで気になった展示は本州アイヌについての展示だ。
アイヌと言えば北海道なイメージが有るが、実際には江戸時代において、蝦夷地松前、弘前・盛岡両藩の北奥地域の3つでアイヌの人々は居住していたらしい。
本州アイヌが主に居住していたのは北海道に近い津軽と下北だったようで、段々と和人化が進んで表面上はわからなくなるが、他の東北地方ではなく青森にアイヌ関係資料が多く残るのはこのためだとか。

そして、個人的にこの後に来るフロアがめちゃくちゃ印象に残った。

それは青森の象徴とも言えるねぶたが飾られているスロープの先にある。

そのフロアはなんというか、入った瞬間に雰囲気に圧倒される感じがした。

展示内容は青森のマタギ文化恐山関連の宗教文化の展示なのだが、なんだかもうとにかく雰囲気がすごいのだ。

写真の掲載は出来ないので、拙いイラストで雰囲気を伝えるとこんな感じになる。↓

※実際は暗くないです

絵の右上の謎の人形は「さんすけ」といい、山へ入るメンバーが12人だった場合、山の神の怒りに触れるということで携帯するらしい。
何がどうなって生まれた習わしなのかわからないが、場所によって紙製だったり、色々なバリエーションがあるらしい。

赤い布をかぶったものはオシラ信仰によるもの。
東北以外にも関東や信州にもあるとか。

他にもフロアには自分と同じくらいの大きさの大きさの藁人形に、謎の団子みたいな串を刺しまくった物があったり、盲目の少女をイタコに入門させる風習などの紹介など盛り沢山だが、もう本当に青森は興味深い

この独特の空気感を味わいたい方は是非一度訪れてもらいたい。

青森県立郷土館……素晴らしいところだった。

またいつか来る予感がする。

青森駅

では次の目的地へ向かうとしよう。
今回は帰省途中の旅だ。
あまり一つの場所にとどまっていては、実家に帰ったら休みが終わっていたなんてことになってしまう。

お土産をつまみつつ移動を開始する。

次の目的地は……仙台


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