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映画「Winny」を見て思い出した『相撲』。(そしてメガデモ)

RRR観たいな〜」とか言っといて「Winny」を見に行くという意味不明な人間が自分なわけだが、「Winny」は観てよかったと思える映画だった。

書籍の方もちょうどkindle Unlimitedに来ていたので読んでみたが、映画では端折られていた検察側の知識不足なあれやこれやがあって面白い……いや、こんな人達にWinny開発者の金子さんは7年もの時間を奪われたのかと思うと、やっぱり複雑な思いがするな……。


映画については前に記事にしたので、興味のある方は覗いてもらうとして、実は映画の中で、なんだかすごい既視感を抱いた場面があったのだ。

それは、いかにWinny開発者の金子さんがプログラムオタクなのかを裁判官に伝えるためのワンシーンでのこと。

弁護側は金子さんが今まで作ってきたゲームを見せて、「作りたいものをつい作っちゃう人なんです!」ということを説明しようとする。

そこで出てくるのが、物理演算格闘ゲームNekoFight』である。

NekoFightを見る裁判官

NekoFightは、「物理演算を使用したリアルな挙動で対戦が出来る」という金子さん制作のオリジナルゲーム。

しかし自分のようなネット老人は、これを見て思い浮かぶものがあるのだ。


そう、それはかつてニコニコ動画が輝いていた時代、

自分が何度も見て笑い転げていた……


『Sumotori Dreams』である。


これはNekoFightを思わせる相撲ゲーなのだが、開始直後から全く相撲にならずひたすらバタバタする様がシュール過ぎて、最高にツボったのを覚えている。

というか今見ても笑える。


ふふっ……まるであの頃にタイムスリップしたような気持ちだ。


あれ……?

笑顔なのに涙が……



それはともかく、そんなSumotori Dreamsだが、当時の自分は笑い転げるばかりで、その作品の意義について深く考えたことはなかった。

思ったのは「すごい低予算なゲームだなあw」くらいのもの。

グラフィックは低品質だし、物理演算も凄いといえば凄いが、もうちょっとまともにしようと思えばできそうなものだ。(※素人の意見です)


しかし実は、このゲームの一番凄いところは「データ容量」だったらしい。

今や写真1枚で数MBは必要な時代である。

そんな中で、このSumotori Dreamsの容量はというと、

驚異の『97KB』。


比較対象として、1986年に発売したファミコンのドラゴンクエストが64KBである。

Sumotori Dreamsは、それとほぼ同クラスの容量で、BGM、音声、3Dグラフィック、物理エンジン、キャラクターのAI、それら全てを盛り込んでいたのである。


そ、そんな凄いゲームだったとは……!



実はこんなふうに「極めて少ない容量でいかにコンテンツを詰め込めるか」を競う文化があるらしく、日本では「メガデモ」と言ったりするらしい。

例えば以下の動画は4K Introという部門の作品なのだが、ここでいう4Kというのは「4KB」のことである。

まるでGoogleEarthを見ているかのような映像を流しているわけだが、これがたったの4KB……。

もちろん音楽もデータ容量には含まれている。

いや正確にいうと、音楽や映像をプログラムから生成して、この映像を作り上げている。

テクスチャデータなどを直接入れ込んでいるわけではなく、それを作るためのプログラムを圧倒的に小さいサイズで実装しているのだ。


こういう技術をプロシージャル技術といって、
これはゲームなどでも活用できる素晴らしい技術であり、
自然界のあらゆる形や模様は数式で表せるわけだから、

云々かんぬんで……

その……

すごいらしい。



めっちゃ雑なまとめになってしまったが、技術畑の人間でもない自分があれこれ解説するのはお門違いなので、ここまでにしよう。

つまりは映画をきっかけにまた知識が広がったよというお話だ。


人間は興味を持たなければ調べないし、覚えない。

しかし何かを見てさえいれば、こんなふうに16年前の動画が光り輝くこともあるのだ。

・・・

16年前……?

そ、そんなに経つの……?


この記事はダメージがデカいので、もう寝ることにする。



・理解に良さげな記事とかあれこれ

2.プロシージャル技術について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej/63/8/63_8_1107/_pdf

国立研究開発法人 科学技術振興機構

ああ、全てが懐かしい…


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