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オリジナルサーヴァントデータ作成のススメ③/鯖鱒wiki

今回の内容について

前回の記事の続きです。(期間が空きすぎました)

前回は鯖鱒wikiの「サーヴァントテンプレ」中の【Weapon】まで触れました。

今回はいよいよ【来歴】から【その他】までを解説していきます。

【来歴】とは

鯖鱒wikiにおける【来歴】は、基本は「サーヴァントの原典/原点を噛み砕いて説明する」項目です。
あるいは、「原典に加えた個人的な解釈を説明する」というパターンも多いです。

まず前者のパターンですが、これは人によって評価が分かれます。
「Wikipediaやネットで軽く検索して知れる以上の情報が入っていない」とか、「ネットの情報をまとめただけ」とか。

――つまり、「オリジナルサーヴァント」として見た場合に、作者の観点や工夫が入っていないのは淡白だ、というような考え方です。

そのような見方を目にしたことがあるし、私としてもその考え方に同意できる部分もあります。
なので、私からオススメしたい来歴の書き方は後者、「原典に加えた個人的な解釈を説明する」パターンです。

「個人的な解釈の説明」とは?

鯖鱒wikiのペトルス・バルトロメオの【来歴】にあたる部分

……上の画像は鯖鱒wikiのオリジナルサーヴァントである、ペトルス・バルトロメオの来歴にあたる項目です。
【解説】となっているのは、テンプレの体裁にばらつきがあった時期の、古いデータということでご了承ください。

ただそれでも来歴における好例になると思い解説します。

冒頭

まず、最初にペトルス・バルトロメオの出身と主要な逸話を簡潔に説明していますね。
これはおすすめの書き出しです。
何世紀の、どこの地域の、どんな肩書の、代表的なものとして何をしたのかなど、人物の大前提、最低限の情報を最初にまとめて細かい描写に移る――そうすると、「それを踏まえた読み物」となります。

つまり、文章の構成として分かりやすく、読みやすくなります。

作者の観点からの説明(についての説明)

次とその次の段落から最後までは、作者の視点からの逸話の解釈、説明ですね。
「聖槍とはただの棒きれであり、聖アンデレの啓示も偽りだった」、「ただ彼自身は英霊となってもそれらを本物だと信じている」――。

……一見するとただ事実を述べているだけのパターンっぽい。
しかしこれらの記述は、「ペトルス・バルトロメオはただの嘘つきではない」というデータ作者の主張です。

――Fateの作品世界においては聖人による啓示や聖槍の神秘的な力などは「実際に存在」します。
なので、「ペトルス・バルトロメオには何の神秘的な力も無かった」と示すことの意味は大きいです。
そして、「最後まで自分を信じ続けた狂信者である」と結んでいます。

――これによって、データの趣旨、テーマと言えるであろう「ペトルス・バルトロメオはただの嘘つきではない」――そう思わせる強靭な信仰力や意志が強調されています。

全体の文章が長すぎないように

ここでペトルス・バルトロメオの【解説】全体を見てみましょう。
大切なのは、「パッと見た場合の印象」です。

見て分かるのは、適宜段落分けされていて、段落も、一文も長すぎず、読みやすそうということ。

これはテンプレを埋めて完成したデータ全てに言える事ですが、
「それが難解か」、「分かりやすいか」は、サーヴァントデータを多く読んでいる人なら一目見ると大体わかります。

難解なデータは、初見の印象で文字が詰まっていて文章が長く、ごちゃごちゃっとして「重さ」を感じます。
これは良い悪いではありません。
ですが、読み物としてはともかく採用を敬遠される傾向にある(と、私は思っている)ので、そうなることを意図しているのでなければ避けましょう。

わかりやすいデータは、文章の短さ、段落分け、やさしい言葉選びなど、データを扱う人への配慮が伺えます。

まとめると

「最初に大切な事実を書く」「次に自分の解釈をまじえて詳しく説明する」、「最後にわかりやすく」

「わかりやすく」は、来歴を書く際だけでなく、データ全体の文章量にも言えることなので意識してみてください。

能力?

来歴は重要な部分なので長くなりました。
次は能力について説明します。

【能力】の項目は「そのサーヴァントがスキルや宝具をどう使用するか、どのような応用があるか、どのような武器を使い、どのようなスキル外の力量があり、どう戦うか」を説明する項目です。

【スキル】、【宝具】、【Weapon】を示しただけでは伝わらないサーヴァントの能力についての「補足」です。

なので、突き詰めれば不要です。

この項目を省く人もいます。
省く場合は【能力】の解釈は読んでいる人に委ねるという意思表明と見て良いでしょう。

【性格】、【行動方針】、【聖杯への願い】

これらはひとくちに【人物】とまとめることもできます。
それぞれ「サーヴァントの性格設定」「聖杯戦争においてどう行動するか」「聖杯に託す願い(無い場合それ以外の何を求めるか)」を書く項目です。

セリフ例を書く場合は【しゃべり方の特徴】に、性格を踏まえてどう行動するかは【行動方針】に書けます。
なので【性格】では、【属性】を踏まえた内面の描写をしましょう。

――社会秩序や悪事に対する考え、利己的か利他的か、何が好きで嫌いか。
【来歴】も参考にしつつ、どのような思考回路を持った人物なのか。
読む人を意識しつつ書きましょう。

【TS理由】?

【TS理由】は、「原典から性別を変えている場合の説明」です。
あるいは、「TSしていないけど、TSさせる場合このように説明できる」という言及です。
なので、TSしていないデータではこの項目はほぼ省かれます
ここは必要に応じて書いてください。

【一人称/二人称】、【しゃべり方の特徴】

「キャラクターがどのように喋るか」の項目です。
なので、キャラ付けの楽しさを感じたり趣味を出しやすいです。

一人称は俺、僕、私など、二人称はお前、あなた、君、など。
【一人称/二人称】ではマスターをどのように呼ぶかどのように人物を呼び分けるかに言及するとデータの読み手にとってのキャラクター像が明確になるでしょう。

逆に言えば、一人称や二人称などの細かいキャラ付けは読み手が自由に決めて良いと考えるならば省いてしまっても良い項目です。

【しゃべり方の特徴】にも同じことが言えるので、【一人称/二人称】とセットで省きましょう。

【しゃべり方の特徴】では、口癖、語尾など特徴的なものを決めていれば優先して書きましょう。
どのような口調でしゃべるか――威厳がある感じか、控え目な感じか、相手によって喋り方を変えるのかなども書きましょう。

あるいは、セリフ例を書くのも良いと思います。
このサーヴァントが何をどう考えるのかを言及させていくことで、読み手に喋り方を明確にイメージしてもらいやすいです。

セリフ例に迷ったら、「100の質問」で検索してみてください。
その中からいくつかの質問をピックアップして、オリジナルサーヴァントがどう答えるかを考えてキャラクター性を補強しましょう。

【コンセプト】から【その他コメント】まで

【コンセプト】

「製作に込めた作者の意図」を書く項目です。
「どうしてこの人物を選んだか」とも言い換えられると思います。

内面に着目したのか、逸話に着目したのか、あるいはAAが使いたかっただけなのか、何かのパロディがしたかったのか、など。
素直に伝えておきたい、どのように解釈して欲しいのかの意図を書きましょう。
これも「多くは言うまい」とするなら省いても大丈夫です。

【使用・参考にしたステータスの出所(僕鯖・皆鯖などあれば)】

これはスキル、宝具、その他コンセプトや設定面で参考にしたりしたデータがある場合に書きます。

出所(参考元)は「僕鯖」、「皆鯖」というオリジナルサーヴァントのデータを集める外部のサイトからだったり、FGOからだったり、鯖鱒wiki内からであったり。

書き方は、「アルトリア(原作)」など。
「真名(そのデータの出所)」がスタンダードでしょう。

【推薦したいその他の代理AA】、【代理AAを選んだ理由】

どちらも、「外見のイメージとしてどのようなものが欲しいか」の言及だと個人的には解釈しています。

なので、【推薦したいその他の代理AA】は具体的なキャラクターがいればそのキャラクターに言及すれば良いですし、具体的に思いつかなかった場合は「~の要素を持つキャラクター」のように欲しい要素をいくつか並べましょう。

【代理AAを選んだ理由】では、「~の要素を持っていたから」といくつかの欲しい要素を説明すると読み手に伝わりやすいです。

これらは、「(創作物にあなたのオリジナルサーヴァントを使用したい)作者」にとって参考になる要素です。
オリジナルサーヴァントのAAが被ったりした場合、あるいは単純に違うAAを当てはめたいというときに参考にされるので、できれば何かしら書いておきましょう。

【その他コメント】

その他、何か読み手に伝えたいことがあるならばこの項目を書きましょう。たとえば、「クラス適性」や、「例外的なパターン(知名度補正や魔力供給の過不足時の状態への言及など)」、「裏設定(使っても使わなくてもいいけど書いておきたい設定)」など。

【来歴】、【能力】などの補足的に使うのもアリです。
意外とやろうと思えば書けることが多い項目です。

最後に

ものすごく長くなりました。よって私も疲れました。お疲れさまでした。

テンプレが全部が埋まったらその出来映えを見て、推敲しましょう。
経験上、二三度データを見返すと修正点がぽつぽつと出てきます。

推敲が終わったら、自分を大いに褒めましょう!

データの鯖鱒wiki本体への登録自体は、ここでは省きます。
鯖鱒wiki内のはじめての方へにある「新しくサーヴァント(マスター)のデータを登録したい!」という折り畳みを参照してください。わからなければコメントなどをしてくだされば対応します。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

いいねなどしてもらえると嬉しいです。

それでは。

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