『なぜ』を意識したことで仕事のコミュニケーション力がグンっと上がった話

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みなさん、こんにちは。

コーチングを学び始めて約1年。
コーチングスキルはもちろんのこと、コミュニケーション力がグンっと上がったと実感しています。特に仕事でのコミュニケーションに変化を感じていて、このタイミングで言語化しておきたいと考えnoteに綴っていこうと思います。

コミュニケーション力が上がる前の自分

僕はコーチとして活動する傍ら、普段はWEBディレクターとして従事していて顧客折衝からチームを引率して成果物を納品するという仕事をしています。

元々、コミュニケーション力は低い方で成果重視の考え方もあってチームメンバーをおざなりにすることがしばしばありました。成果を出したいと思うあまり周りが見えなくなりメンバーを置き去りにして突っ走る近寄りがたい人物でした。

チームを引率する立場にも関わらず、孤立してしまいチームを纏められないという状況にありました。

そんな時にコーチングに出会います。

コーチングは「『対話』により相手の能力や可能性を引き出し、共に成長、発展していくための取り組み」です。

コーチングを受けたことで、自分の感情と向き合い成果重視の中に身を置いていたことで『願望』『本音』を押し殺していたことに気付かされました。会社という檻に身を置き、会社のルールに従い、その中で最大限の成果を発揮しようと奮闘する。僕は、まさにそんな状態だったんです。

自分の中にある『なぜ』を押し殺していたことで、色々な面が見えなくなっていたのです。そんな状態でのコミュニケーションは、相手のことは二の次で成果を出すことが正義みたいな考え方になっていました。

コーチングを学んで変わったコミュニケーション

コーチングはリーダー育成家・林健太郎さんが主宰するコーチングクリニックPROで学んでいます。

コミュニケーションが変化した大きな要因は、コーチングクリニックPROや10分コーチング認定資格講座を受講したこともありますが、林さんが提唱する『ダークな好奇心』を持つことを強く意識するようになったからだと思います。

▼ダークな好奇心に触れている林健太郎さんの動画

なぜその人は、そのような発言をしたのか? と自分の内なる声を疑問文に変えて好奇心を持って接するようになったことで、これまで見えてなかった相手の真意を知ることができるようになりコミュニケーションが円滑になりました。

例えばチームメンバーに追加の依頼をするとします。

自分:○○さん、先ほどご依頼した修正に加えてこの修正もお願い出来ませんか?できれば本日中にお願いしたいんですけど・・
デザイナー:これもですか?…いや、ちょっと無理です
自分:…そこを何とか…
デザイナー:何とかと言われましても、無理なものは無理なので…
自分:…

制作現場ではあるあるなシーンかも知れません。この会話は平行線のままで何も起きずに困ってしまうケースです。たとえ追加依頼の内容が微々たるものだったとしても起こりうるケースだと思います。

ここでダークな好奇心を持つと色々な『なぜ』が浮かび上がってきます。

・修正ボリュームは少ないが、なぜできないんだろう?
・無理と言っている理由は、修正内容の問題?それとも1度受けると五月雨で言われかねないと予防線を張っている?
・そもそも自分の依頼の仕方がまずかった?

と一例を挙げただけでもたくさんの理由を仮説立てすることができますが、上の会話では相手側の真意は何も探れていません。修正して欲しいのは自分の願望であって、相手側の願望を無視した会話を繰り広げていて、成果重視にいかなる理由があろうと修正すべきだと一辺倒になってしまっている状態です。

ダークな好奇心を持って接すると以下のように相手の真意を引き出せて話が前に進みます。

自分:○○さん、先ほどご依頼した修正に加えてこの修正もお願い出来ませんか?できれば本日中にお願いしたいんですけど・・
デザイナー:これもですか?…いや、ちょっと無理です
自分:ですよね…無理なお願いをしてすみません...。無理なのは修正内容のボリュームの問題ですか?もしくは五月雨のリスクを考えて予防線を張っていたり・・?
デザイナー:いえ、この仕事だけをやっている訳じゃないので他案件も考慮するとスケジュール調整が必要だったりで自分では調整が難しく・・
自分:あ、そういうことなんですね。他案件って何ですか?僕からディレクターに掛け合わせてもらえませんか?
デザイナー:それだったらいいですよ。他案件は○○で…

活字にしてみると『なぜ』を聞くのなんて当たり前のことのように見えます。しかし現場では意識していないと咄嗟に出てこなかったりします。

傾聴や復唱、承認といったコーチングの基本的スキルも必要だったりしますが、なぜを照らすことの重要性は大変大きいと思います。

また、人はなぜの部分を省略して事象だけを話す傾向があるような気がします。なぜの部分を話してもらうような対話をすると、その人自身の考えが整理されて、本来思っている願いや感情にも気付くようになりパフォーマンスがアップしたりします。

潜在意識として何となく感じている、楽しい・嫌だ・嬉しいなどの感情で人は行動をしているため、いま感じている感情を明確にすることで自分はどうしたいのかを一緒に考えられるようなコミュニケーションができるようになってきたと実感しています。

チームメンバーからも、話しやすくなった、相談しやすくなった、考えが整理されるので前に進みやすい、などの声もいただくようになりました。

他にも顧客とのヒアリングでも変化をもたらしています。

顧客とのヒアリングは、基本的に相手側の課題を抽出する作業にありますが、顧客は情報をあまり語ろうとしません。語らないというより伝える必要性を感じていないのかも知れません。

なぜなら、顧客は常日頃から課題を持って業務に取り掛かっているため課題は当たり前のことのため、それを伝えないといけないという意識が弱くなっているからだと推測します。

例えるなら今日の夕ご飯何にしようかなというのは恒常的な悩みだとします。仲の親しい間柄だと、何気ない会話で口にするかも知れませんが、初対面で信頼性を構築できていない人には相談しないと思います。

ヒアリングでは、相手が当たり前と思っている課題意識をいかに引き出せるかが重要になってくるのです。

・格好良いWEBサイトを作りたい
・とりあえずWEBサイトがほしい
・とにかくスピーディーに公開したい

こういうざっくばらんな依頼というのは、思いの外よくあることです。言葉尻だけを捉えてしまうと、結局何のためにWEBサイト作るんだっけ?という壁にぶち当たりコンペに負ける、もしくは案件が炎上する、なんてケースになったり。ここにダークな好奇心が活きてきます。

・格好良いWEBサイトを作りたい
 →なぜ格好良いのがいいのか?サイトの好みは何なのか?格好良いは見た目だけの話なのか?
・とりあえずWEBサイトがほしい
 →なぜWEBサイトなのか?
・とにかくスピーディーに公開したい
 →なぜ急いでいるのか?

『なぜ』を明確にして相手の考えを引き出すコミュニケーションに磨きがかかったおかげで顧客の望んでいることを引き出す精度がアップしました。さらに顧客から『おかげさまで考えが纏まった』という言葉をいただくようにもなりました。

コミュニケーションで大事なことは

ここまで『なぜ』を考えることでコミュニケーションの質がぐんっと上がったというお話をしてきましたが、最後にコミュニケーションで大事なことでいま気付いていることを纏めまていきます。

成熟した大人と対話をするとき、その人が発する言葉には様々な因果関係があると推測します。

・その人が培ってきた価値観や倫理観
・その人のいま取り巻く環境、ステークホルダー
・いま何を求めているのか
・いま何が見えて何を感じているのか
など

様々な状態で人は言葉を発しているとすると、接し方は多種多様で答えは無いのかも知れません。そんな状態に人はいるんだと理解を示すだけでもコミュニケーションの質は変わってくると思います。

情報が足りずに認識齟齬を起こしていた。
前提の話がないので何の話をしているのか分からない。
合意形成のない対話をされて一方通行に感じた。
頼まれてもいないのに勝手に教えられた。
何を言っても理解されないので言葉を発することを拒絶してしまった。

上記で共通しているのは相手の状態を把握せずに自分本位な対話をしてしまっているということだと思います。

コミュニケーションは、相手の話を聞くのでは無く、相手に話してもらえる場作りを提供するということなのかも知れません。

時にはクローズドクエスチョンで誘導する対話が必要だったりもしますが、それも相手の状態を把握しながらの対話が大事で自分本位になってしまうと成立しないんだと思います。

相手の状態を把握してダークな好奇心を意識することで、お互いが気持ちの良いコミュニケーションとなり思わぬシナジーが生まれるなんてこともあるのかも知れません。

今後もコーチングを磨きながらコミュニケーションの在り方を考え、気付きをnoteに綴っていこうと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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