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絵画からイメージ作曲2022.6.29(289)

「梨の木」クリムト 1903年

風景画には普通、
横長の画面が使われるが、
クリムトが選んだのは正方形。
そこからしてこだわるのが彼らしいのかも。

穏やかな風の中、ヘ長調になりました。

ヘ長調 4分の3アンダンテ

グスタフ・クリムトはその黄金様式で有名ですよね(『接吻』のような)。しかし後期には、印象派やポスト印象派から影響を受けて、依然として非常に装飾的であるものの、それまでとは違った方法で絵を描き始めていたのです。本作にあるのは満開の梨の木。風景画には伝統的に横長の画面が使われますが、クリムトが選んだのは正方形のカンバスでした——ウィーン分離派の代表的な装飾用のモチーフでもあった、純粋な幾何学の形です。前景の枝は、絵具のひと塗りひと塗りが、葉、花、果実となっています。この平坦できらめく色彩画面は、ポスト印象派の油彩とビザンツ様式のモザイク画のどちらも想起させます。絵の左側は、中央や右側よりも絵具が著しく密集しています。

デイリーアートより

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